生活相談員の勉強部屋

【実録】クラスター施設の現実ー第1回

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 皆さま、お疲れ様です。今回は、高齢者施設においてクラスターが発生するという現実を身をもって体験したので、その事実について記録しておきたいという気持ちと今後同じ困難が発生する事業所のために、少しでも役に立てるように、そのリアルについて書いていきたいと思います。

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始まりの予兆

 まずは、今回のクラスターが発生したきっかけについてです。GoToキャンペーンが、全国的な感染拡大の原因の全てとは言いませんが、その感染の足音は確実に地方へも広がってきていました。我々、福祉従事者は、第一波が始まる頃には県外への外出を控えたり、不特定多数が集まる場所での飲食を控えるなど、施設でクラスターを発生させないための自己防衛を行ってきました。しかし、世間ではGoToキャンペーンにより、地方への旅行者が増加したり、仕事で県外へ出かける企業なども当たり前になり、私たちの気持ちや行動とは裏腹に、確実に感染が拡大するであろう道へ進んできました。

職員の家族に陽性者が出る

 私たちの身近に、新型コロナウイルスの脅威が迫ってきている事が実感できたのは、職員の同居する家族に陽性者が出たことです。同居家族であるため、職員も含め家族全員がPCR検査に回りました。同居家族の陽性が発覚した前日・当日は、職員は勤務していなかったため、その当初は少し楽観的に考えていたんです。家族全員症状がなかったですしね。

PCR検査の結果、職員は陰性・1人陽性の結果

検査結果は?

 PCR検査の結果、職員は陰性でしたが、同居家族の1名が陽性となりました。職員が陰性だった事でひとまず安心しました。職員自身も、きっと安心したと思います。しかし、陰性であっても後に陽性が出るケースもあるため、警戒はしていました。

施設の対応

 職員はPCR検査に回った時点で、当該職員が勤務していた部署の入所者は全て居室対応とし、職員は予防衣の着用、同時に全部署の入浴を中止、全入所者の朝・夕2回の検温を開始しました。また、全部署の廊下や居室、車椅子、その他多くの人が触れる可能性がある場所の消毒を開始しました。

迫りくる感染の危機

 

 職員の陰性が確認された後も、しばらく対応を継続する事とし、消毒も連日実施しました。しかし、感染拡大の危機は、確実に私たちに迫ってきていました。

複数の入所者に発熱症状が見られる

 職員の陰性が確認された翌日午前中に、当該職員が勤務していた部署の入所者1名に発熱が確認されました。その日の夕方、その他の部署のご利用者数名にも発熱症状が確認されました。午前中に発熱した入所者は個室へ移動。発熱者が出た居室の入所者は、全て居室での対応としました。

職員にも体調不良・発熱者が出る

 主に消毒を行っていた職員2名に体の怠さや発熱といった症状が出ました。そのうち1名の職員は、応急診療所にて抗原検査を行い陰性、もう1名は施設職員であることや施設の状況、体調不良であることを新型コロナウイルスの相談窓口へ伝えるも、「その程度で検査の対象とはならない。」と取り合ってもらえず、自宅で様子を見ることとなりました。

 感染拡大の始まりは、職員の陰性という結果と入所者や消毒対応にあたった職員が発熱・体調不良を訴えるという相反する状況でスタートしました。この時点では、季節的なものや何か別の病気が出たのではないかなどど思う程度、というか思うことでコロナ感染の危機をなるべく考えないようにしていたように思います。今回は、感染拡大の始まりについて書かせていただきました。

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