生活相談員の勉強部屋

【実録】クラスター施設の現実ー第4回

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 皆さま、お疲れ様です。ほしくずのクズです。今回は、施設において陽性者が出た後に起こったことについて書いていきたいと思います。以前の記事でも書きましたが、我々福祉従事者は、第一波の時から県外への移動や大人数での会食などを自粛し、GoToキャンペーンなど全く関係のない事として、感染予防に努めてきました。しかし、一度クラスターが発生すると、戦犯扱い、徹底的にディスってくる、悪者以外の何物でもないような雰囲気になることが良く分かりました。

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マスコミの取材が鬱陶しい

 まず、報道発表を受け駆け付けてくるのがマスコミです。地元新聞社から週刊誌の記者、テレビ局などあらゆる方々が施設の周りを取り囲みました。

地元新聞社について

 地元の新聞社は、陽性者が発生してから毎日のように車で施設のまわりをグルグル回り続け、何か穴がないか監視し続けていました。新聞社の名前の入っていないス○キのジ○ニーでウロウロしていたので、見るたびに残念ながら嫌な気分になります。車自体は、とても好きな車種なんですけどね!!そして、玄関に貼ってあった発生前に行っていた面会の案内にをネタに、「こんな状況なのにまだ面会やってる」「対策の甘さがこんな結果になった可能性がある」みたいなディスる記事を書いてくるわけです。こんな根拠ない取材で書いた記事で給料貰えるなんて素晴らしく優しい企業なんだと思いました。

テレビ局が現れる

 こちらも地元のテレビ局が道路から施設の外観を撮影しまくりで、ヘリまで飛んできました。発生した当初は仕方がないかと思いましたが、翌朝や夕方に同じ何回も撮りに来る始末。陽性者が新たに出るたびに違う外観映像を流す。暇なんですね。それより、世の中で行っている感染がどこから始まって、それによって医療従事者や福祉従事者がどれほど苦労しているのかをもっと報道してもらいたいものです。ちなみに一般企業でクラスターが発生しても、大したニュースになりませんよね。福祉業界や病院関連のほうが視聴者も興味が沸くし、高齢者や基礎疾患がある方のほうが重症化しやすく、亡くなる可能性もあります。「何人死亡」とか「何名が重症化」とか報道した方がインパクトがありますからね。でも、何回も言いますが私たちは、いろんな事を我慢して、自粛して、場合によっては家族と別居して日々の対応にあたっているんです。施設のクラスターが発生した原因、職員が感染してしまう原因は、誰かが持ち込んだウイルスなんです。なんちゃらキャンペーンだとかなんとかイートが、私たちの業界から見れば、リスクを高めるだけの政策だったとしか思えません。言ってしまえば『GoToコロナキャンペーン』ですね。あっ、失礼いたしました。

誹謗中傷は本当にあった

 感染者に対する誹謗中傷があるという事は聞いていましたが、電話やネットで実際にありました。

匿名の電話

 報道があった後、施設に多くの電話が寄せられました。そのうちのひとつについて書きたいと思います。名前を名乗らず、少し酔っぱらっているような話し方で「日頃の行いが悪いからこういう事になるんだ。」「感染が施設の外に広がったらどう責任をとるんだ。」「死者が出たらえらいことになるぞ。」など話続けられ、お話を一通りお聞きし、電話を切ろうとしても同じ内容の話を繰り返されるばかりでした。時間にして2時間程度、ご心配な事があるのであれば、一刻も早く対応に当たらせてもらいたいと思いながら聞いてました。その他にも無言電話などの頻回にありました。

ネットには、最初の感染者の犯人探しが...

 インターネット上の検索上位に施設名が出るようになり、それに合わせてある掲示板では、最初に陽性が確認された職員に関する事と思われる内容が書き込まれるようになりました。いつまで施設にいたのか、発症日の予想、その後の行動などいろいろ書かれていました。ほとんどが憶測の範囲を超えないものでしたが、残念なことに職員でなければ分からないような内容(事実に近いもの)の書き込みもあり、職員の誰かがリークしたと思われるものもありました。

職員の親戚からも苦情がくる

 ある職員の親戚と思われる方からも「そんな危険なところに勤めさせられない。」「家族に感染が広がったらどう責任をとるんだ。」などのお話もありました。持病や重症化リスクのある方が同居されているなど、事情はそれぞれあります。勤務することが困難であれば、ご家族などと相談し、その旨を伝えて頂ければ強制的に勤務させることはないのですが...。子供ではないので、その辺は職員一人一人がきちんと対応してもらいたいところでした。

私たちを応援してくれる人たち

 ここまで、批判的な内容を中心に書いてきましたが、ありがたいことに応援してくれる方や温かい言葉をかけて下さる方、支援物資を送ってくれる方などもおられました。

ご家族からの言葉

 陽性者が出た時点で、入所者の身元引受人全て連絡を取り、状況の説明をさせて頂きました。当然、批判的な内容や苦情が多く寄せられるものと思っていましたが、どのご家族からもそういった言葉はほとんど聞かれず、「あなたたちの責任ではないから。」「大変だと思うけど頑張って下さい。」「いつも感謝しています。応援しています。」など労いのお言葉を多く頂戴しました。本当は、入所されているご家族の事が心配でしょうし、言いたいことがある中でもそういった言葉をかけて頂いたことには感謝しかありません。

クラスターを経験した施設から

 以前クラスターが発生した施設の有志の方々から、食べ物や栄養ドリンクと共に応援のメッセージを頂きました。経験した者しか分からない辛さや苦しみを分かってくださる方がいるだけでも、とても救われた気持ちになりました。

関係する事業所から

 日頃より関係のある事業所方からもお電話やFAXで、応援のメッセージを頂きました、私が以前勤めていた施設の方からも、温かいお言葉を頂き、本当に感謝しております。

 今回は陽性者が判明し、報道発表があった後に起こったことについてまとめてみました。一生懸命感染予防の対策をしていても、ウイルスはどこから来るのか分かりません。もし、感染者が出てしまっても、その施設だけの責任ではないと思います。政府は特措法の改正で、罰則規定の話ばかり出てきていますが、医療従事者や福祉従事者が安心して働ける環境づくりにも力を入れてもらいたいものです。自分たちには何も罰則もないくせに!!ちなみに介護慰労金ですら、申請して4か月経過しても未だに入ってきませんけど~~~~~~。

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