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特養版【すぐ使える】福祉施設の職員の法定研修「看取りケア(ターミナルケア)に関する研修」 ~死生観について考える~

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 こんにちは、ほしくずのクズです。

 今回は、施設での研修を担当しているボクが、実際に施設研修で使用している資料をアレンジしてご紹介していきたいと思います。今回は『ターミナルケアに関する研修』についてです。テーマは「死生観」です。

令和3年度介護報酬改定に対応した研修はこちら⇒特養版【すぐ使える】看取り介護(ターミナルケア)に関する研修

研修動画はこちら↓

 この記事でお話する内容はこちら↓

✅死生観とは

✅死生観を持つことの意味

✅施設における看取りケアとは

✅看取り期における各職種の役割

✅看取りケアのポイント

✅看取りケアにおける家族への支援

✅看取りに関する研修のまとめ

死生観とは

 死生観とは、簡単に言うと生きることや死ぬことについて考える事です。

 死生観については、以下の事が言えます。

〇人は、この世に生を受けた時点で死ぬことが決まっている。生きることは死へ向かうことでもある。

〇死は誰にでも訪れるが、死後の世界を知ることはできない。未知の世界であるため、人は死に対して恐怖を抱く。

〇死を体感、経験できない。

 誰しもが死ぬことに恐怖を感じます。そして死から目を背けようとします。しかし、人はいずれ死にます。自分の死について考える事で、施設での看取り期でのご利用者やご家族への配慮や支援ができるようになります。

個人ワーク・グループワーク①

 ここでは、自分の死生観について少し考えてみましょう。

もし介護が必要になったとき、どこで介護を受けたいですか?

 自身が要介護状態になったときにどう考えますか?

 できれば自宅で過ごしたい家族に迷惑をかけたくない施設に入れてほしいいろいろな考え方があると思います。

 自分の感じるままに感じましょう。もし施設で介護を受けたいと考えたとき、自分が働いている施設は選択肢にあるでしょうか?

 自分が健康である時、自分が介護状態になることや死を意識することはあまりないかもしれません。このワークを通じて、自分がどう生きていきたいかを考えるきっかけにしてほしいと思います。

 そして、このワークで感じたことや考えたことが、今まさに皆さんが介護を提供しているご利用者やご家族が感じたり、考えたりしていることにつながります。

あなたはどこで最期を迎えたいですか?

 住み慣れた我が家ですか?施設ですか?病院ですか?いろいろな状況をイメージして考えてみて下さい。

 自分の最期を想像したことはありますか?

 健康だったり、まだ若かったりすると、あまり考えることもないですよね。しかし、介護の仕事と言うのは、ご利用者の「死」が、いつも目の前にあります。だからこそ、介護に携わる者は、「死」について自分の価値観や傾向を知っておかなければなりません。

自分の「死」を意識した時に、どんな事を想い・考えるのか。

 これが、看取りケアを行う上で重要になってきます。

あなたは、次のうちどちらの死に方を選びますか?

①突然死ぬ

②徐々に弱って死ぬ

 ピンピンコロリなんて言いますが、できれば苦しまずに死にたいですよね。ただ、人間そう簡単には死なないみたいです。皆さんは、どちらがいいですか?

その死に方を選んだ理由を考えて下さい

 自分の死について考えるだけで、家族のこと、介護のこと、その他いろいろな事を考えるんです。そして、入所している方やその家族が思い悩んでいる事でもあります。自分事として考えると、ご利用者やご家族の気持ちに少し近づけた気がしませんか?

個人ワーク・グループワーク②

 次の内容について、まずは個人で考え、その後グループ内でその内容を発表しましょう。ここでのポイントは、「自分の死に対する考え方を見つめること」、「死についてタブー視せずに語り合うこと」の2点です。

自分の命が残りわずかであると伝えられたとき、あなたは何がしたいですか?

 自分事としてしっかり考えましょう。死に直面するご利用者やご家族の気持ちに少しでも近づけるきっかけになります。

あなたは、延命治療を望みますか?

 延命治療とは何か。延命治療をした場合、しなかった場合のことを自分なりに考え、他の人の意見も聞いてみましょう。

死生観を持つことの意味

〇「死」について考えるきっかけになる

〇死に対する漠然としたイメージが具現化され、恐怖心や不安が解消される

〇人の「死」について考える事ができる。気持ちを向ける事ができる。

施設における看取りケアとは

介護保険における看取り期とは何か?

〇医師が、医学的に回復の見込みがないと判断したときに、概ね余命が6か月程度であって、老衰または病気の末期であり、どんな治療も病気の治癒に対して効果がない状態。(対処療法は行う)

「看取る」事とは何か?

ご本人の意思に基づいて、家族や関係者のご理解とご協力を得ながら、最期の時を安心して心安らかに過ごせるように援助すること。

高齢者介護における看取りとは

死の瞬間だけに関わることではない

⇒ご本人やご家族の想いを支援する。

⇒その方に関わる全ての人が「その方の望むこと」や「その方の看取りについて考える」こと。

看取りとは、その方の人生のクライマックスに関わらせていただくことだ

⇒ご本人、ご家族、介護職員等、皆がここで最期を迎えられて良かったと思えるような看取りにするには、それまでの関わりが重要である。

各職種の看取り介護における役割

 ここでは、各職種の役割についてスライドで紹介します。各職種の役割分担は、施設によって異なる部分があると思いますので、おおよその概要についての紹介になります。

医師

看護師

生活相談員

介護支援専門員・栄養士

介護職員・理学療法士

看取りケアのポイント

全身状態の把握

 バイタルサイン、食事・水分摂取量、嚥下の状況、尿量、排便の有無、脱水や浮腫の有無の確認します。

栄養と水分

 無理な水分摂取や栄養摂取は行いません。

清潔の保持

 清潔保持と感染症等の予防対策、身体状況に応じた入浴や清拭などの検討、実施します。

苦痛の緩和

 身体面...身体の状態に応じた安楽な体位の工夫を行います。疼痛緩和等の処置を実施します。

 精神面...手を握る、マッサージをするなどのスキンシップを実施します。安心できる言葉がけ、コミュニケーションをとります。

面会への配慮

 新型コロナウイルス感染症により、面会が宣言されている中でも、窓越しやオンラインなどご家族とご本人が少しでもつながれるような環境を整えます。

家族への支援

ご家族も当事者であることを理解する

〇死にゆくご利用者本人を支える立場であるとともに、大切な家族を失おうとしている立場でもあることを理解する。

〇親戚等も含めたご家族の「死」についての考え方や意向についてコミュニケーションを図る。

ご家族の迷いを理解する

〇心が揺れるのは当たり前のことである

〇どんな「決定」や「判断」でも批判や避難、否定しない

⇒気持ちを受け入れ、施設として出来ること、出来ないことを丁寧に説明する。

看取りケアに関する研修のまとめ

死をタブー視しないこと

〇「死」は誰にでも訪れるもの

〇「死」は人生のクライマックス。

〇自分の死生観について考えてみる。言葉にして考えたり話したりすることで、自分の気持ちが見えてくる。

「死ぬこと」だけを考えても、納得できる看取りにはならない

〇「生きること」を支えること。

〇その方の人生に関わらせて頂いているということ。

〇専門性を持ってかかわること。

「看取り」はご本人とご家族のためのもの

〇気持ちが変わる、揺れるのは当然。悩みながらその方について、家族や関わる全ての人と考えていく事が大切。

〇家族はご本人を精神的に支える立場であると同時に、大切な人を失おうとしている当事者であることを理解する

〇ご本人だけでなく、家族の苦痛・苦悩を理解する

「看取り」は職員を成長させる

〇人の死に関わることは、その方の人生に関わらせて頂くということ。そのこと自体が、職員としてだけではなく、人間としての成長を促す。

〇「死生観」や「人生観」を自覚し、人生の価値を考える機会となる

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 終末期ケア専門士は、2020年に一般社団法人日本終末期ケア協会によって新設された、比較的新しい資格です。

 超高齢社会の今、施設における看取りの割合は、ますます増えていくことが考えられます。それぞれの価値観、死生観に合わせた看取りという対応を行っていくための専門的な知識を習得する。それが、「終末期ケア専門士」です。

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参考文献

〇石飛幸三『「平穏死」のすすめ 口から食べられなくなったらどうしますか』(講談社 2010年)

〇水野敬生『介護現場で使える 看取りケアの便利帖』 (介護と医療研究会  2017年)

〇小澤竹俊『死を前にした人に あなたは何ができますか?』 (医学書院 2017年)

〇大滝厚子『ここから始める介護』 (関西看護出版 2005年)

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