「拒否」「不穏」「暴言」という表現
日々の記録を見ていくと、「拒否」「不穏」「暴言」という内容がしばしば見られます。こういった内容で記録されるのは、認知症の診断を受けたご利用者であることが多いです。入浴したくないという気持ちを表現すれば「拒否」と書かれ、難しい表情で同じ話を繰り返されていれば「不穏」とされ、少し強い口調で話せば「暴言」と言われます。
「認知症の」〇〇さんという見え方
これは、関わった職員がこのご利用者を「認知症のある○○さん」という見方をしているからだと思います。職員の中にある認知症の人というイメージをその方に当てはめて見ている世界なのだと。私たちもやりたくない事はしたくないですし、嫌なことをされれば怒りますし、考え事することもあるでしょう。それを「拒否」だとか「不穏」だとか言いませんよね。何か理由があるのだと考えるからです。認知症があっても、その方がそのような言動をするのには「ワケ」があるはずなんです。和田行男さんの言葉でこんな言葉があったのをふと思い出すことがあります。「ワケ」を見つけに行けるのが専門職なんだと。
その「ワケ」を確認しに行こう
私はそういった記録があれば、可能な範囲で具体的にどんな場面だったのか、ご利用者の体調はどうだったのか、その方がどういう気持ちだったと予想されるのかを確認するようにしています。場面が整理されていくと、なぜそのようなご様子だったのかが見えてきます。その積み重ねが認知症ケアにつながっていくのだと思います。