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令和3年度介護報酬改定「テクノロジーの活用」で人員配置緩和⁈に違和感...

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 お疲れ様です。介護報酬改定にバタバタする時期ですが、今回は介護報酬改定のポイントとして上げられている「介護人材の確保・介護現場の革新」について感じた違和感について書きたいと思います。

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テクノロジーの活用や人員・運営基準の緩和を通じた業務の効率化・業務負担軽減の推進

 今回の介護報酬改定で「介護人材の確保・介護現場の革新」がポイントとして上げられています。その中で喫緊・重要な課題として、介護人材の確保・介護現場の革新に対応という内容は下記のようになっています。

第199回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料より

見守り機器を導入した場合の夜間における人員配置の緩和

■テクノロジーの活用により介護サービスの質の向上及び業務の効率化を推進していく観点から、実証研究の結果等も踏まえ、以下の見直しを行う。

・特養における見守り機器を導入した場合の夜勤職員配置加算について、見守り機器の導入割合の緩和(15%⇒10%)を行う。見守り機器100%の導入やインカム等のICTの使用、安全体制の確保や職員の負担軽減等を要件に、基準を緩和(0・9%⇒0.6%)した新たな区分を設ける。

・見守り機器100%の導入やインカム等のICTの使用、安全体制の確保や職員の負担軽減等を要件に、特養(従来型)の夜間の人員配置基準を緩和する。

・職員体制を要件とする加算(日常生活継続支援加算やサービス提供体制強化加算)において、テクロノジー活用を考慮した要件を導入する。

 上記のような内容になっています。見守り機器を職員の代替えになるという印象を私は受けます。見守り機器は、ご利用者に動きや異常があった際に通知してくれます。しかし、そこに駆けつけて対応するのは職員です。介護の現状では、結局マンパワーが必要なんです。ちなみに表にすると下記のようになるようです。[affi id=33]

介護ロボットの導入の目的とは⁈

 介護ロボットやICTの活用は、私の感覚だとご利用者へのケアの質の向上と職員の負担軽減のために導入されるべきものだと考えていました。センサーや情報の活用により、ご利用者がトイレに行きたいタイミングでトイレにお連れしたり、夜間目が覚めやすい時間を把握したり、それらを活用してご利用者の生活を支えるものであると。

 しかし、今回の介護報酬改定の中身は介護ロボットやICTの活用は、職員の配置人員の緩和のための手段として扱われています。本来、ケアの質の向上やご利用者の生活を支えるという観点から、目的が変わってしまったように感じます。

 これ以上配置基準を下げたり、人員配置の緩和をすることはご利用者の生活に影響が出てくると思っています。

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基本的なケアができて活きる機器の活用

 職員に負担軽減、人員の緩和のみ推し進めていくと、そちらにばかり視点が向きケアの質やサービスの向上につながらず、結果的にご利用者に影響が出てしまうのではないかと思います。今回の介護報酬改定では「科学的介護」という考えが強く押し出されました。科学的介護を実践していくには、まず職員の基本的なケアが確保できているか、職員の気持ちがご利用者に向いているか、認知症の方へ基本的な関り方ができているかなどを確認し、できていなければ改善していかなければなりません。

 今回の改正では、すでに基本的なケアはどの事業所でも当たり前に出来ていて、次のステップとして科学的介護という考え方が進められているのだと思うとプレッシャーを感じます。基本的なケアができているのかどうか、その確認も必要ですね。

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