東京オリンピック2020が連日の日本人選手のメダル獲得で盛り上がる中、新型コロナウイルスの感染拡大は広がるばかりで、東京都を含めた1都3県では、特に感染拡大に歯止めがかからない状況です。今回は、そのような状況下で、福祉や介護に携わる職員が、県外へ帰省せざるを得ない場合の越えなければならないハードルと対策についてお話していきます。
繰り返される政府の愚策
政府の対策は、相変わらず後手後手に回り、今後もその対応に期待が持てない中、コロナ禍での2回目のお盆を迎えようとしています。昨年度は、情報量も少ない未知のウイルスで、全国に緊急事態宣言が発出されるなど、感染拡大を防ぐために国民も緊張感を持って取り組んできました。
しかし、1年以上が経過した現在の政府の感染対策と言えば、相変わらず「緊急事態宣言の発出による人流の抑制」と「飲食店への時短営業及び酒類の提供の中止」というお願いベースの対策ばかりです。
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緊急事態宣言の内容
現在、東京都に緊急事態宣言が発出され、令和3年7月29日に千葉県・埼玉県・神奈川県が緊急事態宣言発出を政府へ要請する見込みとなりました。しかし、東京都が緊急事態宣言を出してから2週間が経過してなお、感染拡大に歯止めがかからない状況であり、すでに効果を発揮できていないものとなっています。そもそも、「緊急事態宣言」という言葉だけが独り歩きし、実際に「何をして」「どう行動するのか」を理解していない人も多いのではないでしょうか。
不要不急の外出を控えるなどの要請
日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛(新型インフルエンザ等対策特別措置法第45条第1項による要請)
※医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、必要な職場への出勤、屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要な場合を除き、原則として外出しないこと等を要請
●午後8時以降の不要不急の外出自粛
●混雑している場所や時間を避けて行動すること
●感染対策が徹底されていない飲食店等や休業要請又は営業時間短縮の要請に応じていない飲食店等の利用を厳に控えること
●不要不急の帰省や旅行など都道府県間の移動や、感染が拡大している地域への不要不急の移動を極力控えること
●路上、公園等における集団での飲酒など、感染リスクが高い行動の自粛
事業者へ休業・営業時間短縮の要請
●酒類又はカラオケ設備を提供する飲食店などには、休業要請(法第45条第2項による要請)
●酒類を提供せず、かつカラオケ設備を使用しない飲食店などには、午後8時までの営業時間短縮を要請(法第45条第2項による要請)
●イベント開催を除き、大規模商業施設、遊興施設、劇場、映画館、運動施設、博物館などに、午後8時までの営業時間短縮を要請(法第24条第9項による要請)
施設における感染対策
福祉施設では、緊急事態宣言に関わらず新型コロナウイルス発生当初から感染対策を継続しています。正直、医療や福祉従事者にとって緊急事態宣言や感染者数など全く関係ありません。私たちの生活は、ずっと自粛・制限がかけられたままなのです。
日常的な感染対策
✅出勤前・出勤後・休憩中の検温
✅業務中のマスク及びフェイスシールドの着用
✅1ケア1消毒
✅休憩は自家用車の中または休憩室や会議室などで1人で摂る
✅県外への外出や県外からの来訪者との接触は控える
✅使用したPHSやパソコンなどの定期的な消毒
など
ファイザー製ワクチンの接種
福祉従事者のワクチン接種は、集団接種や個人接種に先駆けて実施され、私もすでに2回のワクチン接種を終えています。未だ接種が完了していない施設がある中で、集団接種や個人接種の方が早く接種できる状況も出てきています。
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感染マニュアルの整備
新型コロナウイルスの発生により、感染対策が大きく変わりました。そのためのマニュアル整備も進められています。また、令和3年度の介護報酬改定の中で、BCPの策定が義務付けられました(経過措置あり)。その準備と策定にも時間を割いています。
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福祉施設職員・介護職員が県外へ外出するための対応と対策
施設職員でも、やむを得ず県外へ外出する場合があります。子供の受験や冠婚葬祭など、本来必要な外出でも、外出するためのハードルは高いと言わざるを得ません。
県外への外出や県外からの来訪者と接触する場合は、必ず報告
ます、県外への外出などの予定が出来た場合、必ず施設を報告をしなけまればなりません。これが、かなり精神的にダメージが大きいです。施設職員は、皆外出するのを我慢して仕事をしています。また、万が一県外へ外出すれば、戻って来てからも自粛生活、つまり外出期間以上に仕事を休まなければなりません。残って業務をしてくれている職員からすれば、必ずしも気持ちの良いものではないでしょう。
ちなみに同居家族が県外へ外出する場合も報告が必要になります。
県外へ外出した場合の対応
職員本人または同居家族が県外へ外出した場合、その行動内容によって対応が変わってきます。
✅職員本人・・・宿泊あり・宿泊なし(飲食を伴う交流あり) ⇒ 7日間の出勤停止
✅職員本人・・・宿泊なし(飲食を伴う交流なし) ⇒ 出勤可能
✅同居家族等・・・宿泊あり・宿泊なし・飲食を伴う交流あり・飲食を伴う交流なし ⇒ 職員本人出勤可能
出勤可能の区分においても、十分な感染対策を行える場合になります。もし出来ないようであれば、出勤停止となります。
出勤停止期間中は有給または欠勤扱いとなります。
PCR検査は自費で実施
緊急事態宣言が出ている地域やまん延防止等重点措置がとられている地域はもちろん、その他の地域への外出でも、戻ってきた後のPCR検査実施は行わなければなりません。ちなみに自己都合による外出なので自費になります。その陰性証明を持って出勤可能となる場合が多いようです。これは、ワクチンを接種していても同様です。
職場復帰してからの精神的苦痛
県外への外出から戻り、自粛期間・PCR検査を経てようやく職場復帰となりますが、復帰時の精神的負担も大きくなります。まず、休んでいた分の仕事が溜まっています、当然と言えば当然ですが、外出した期間以上に休まなければならないので、長い期間溜まった書類が放置されている状態になります。
また、職員の中には、嫌みを言ってきたり。あからさまに不機嫌そうな態度をとる人もいます。これも理解はできます。自分がいない間をカバーしてもらっていたわけですから。しかし、こちらもやむを得ない状況での外出であれば...と思うとちょっと辛くなります。
終わりの見えない戦い
ワクチン接種をしていたとしても感染はしますし、施設に持ち込めばクラスターが発生します。結局のところ、緊急事態宣言とか感染人数とか、テレワークとか...世間で言われている事、起こっている事と福祉業界との間にはギャップがあります。ワクチン接種が切り札とか言ってますが、感染するリスクがある以上、私たち福祉従事者の生活は変わらないのです。これは医療従事者の皆さんにも言える事だと思います。むしろ、医療従事者のほうが終わりが見えないかもしれません。医療が逼迫していないとかしているとか、そんな議論しかされないのですから。
早く治療薬が開発されることを切に願います!