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【必見】新型コロナウイルス発生時の初動対応を解説★ クラスターを最小限に抑えるために!

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 皆さんお疲れさまです。

 今回は、新型コロナウイする発生時の初動対応について解説していきます。

 新型コロナウイルス感染拡大が広がる中、施設における感染リスクも高い状況が続いています。

 私自身が施設でのクラスターを経験しているから言えることですが、周囲の感染状況が落ち着いている施設でも、いつ感染の脅威に晒されるか分かりません。実際に、私が勤務している施設でクラスターが発生した頃は、県内での感染者は一桁で、まさか自分の施設でクラスターが発生するなど考えてもいませんでした

 でも経験者だからこそ言わせてもらいます。

クラスターは、いつ起こるか分かりません

 クラスターが発生した当初は、「あの施設は感染対策をちゃんとやってなかったんだ。」とか「自分の施設は対策してるから大丈夫。」など批判的なご意見や誹謗中傷をたくさん頂きました

 正直に言います。

そんな事をしている暇があるなら、自施設の感染対策の見直しをすること

 同情はしてくれますが、手助けはしてくれません

 結局、自分の施設は自分で守らなければなりません。国も県も市町村も保健所も根本的に助けてくれるわけではありません「いかに感染を抑えるか!」をきちんと考えていく必要があります。

 今回は、クラスターを経験した私から、施設で感染が発生した時の対応について解説していきたいと思います。

新型コロナウイルス発生時(疑いも含む)の初動対応

 感染が発生した場合、または感染の可能性が限りなく高い状況にある時に重要になるのが初動対応です。

 日頃の感染対策は重要なんですが、感染拡大を防ぐための初動対応もめちゃくちゃ大事です。これがきちんとできないと、感染が広がり取り返しがつかなくなります。ここでは、初動対応の基本的な内容について解説していきます。

感染時の初動対応

 まずは、感染が発生した(発生した可能性が高い)場合の基本対応についてです。

初動対応① ご利用者に発熱等があった場合

 ✅当該ご利用者がいる居室はレッドゾーンとする

 ✅既往歴や他の病気の可能性を考慮しつつ、新型コロナウィルスが疑われる場合は、必要に応じて抗原検査を実施する。

   抗原検査 ➡ 陰性:居室対応 処方された内服薬を飲み切り、症状が治るまで

          陽性:レッドゾーン対応 → PCR検査実施(保健所・医師指示のもと)

初動対応② 職員の体調不良等の場合

★体調不良の場合(出勤前)

 (発熱・咳・倦怠感・のどの痛み・味覚障害・嗅覚障害等症状発生時)

 ✅出勤せずに、事前に連絡して病院受診する。

 ✅受診結果を施設に連絡する。

 ✅処方された内服薬を飲み切るまでは出勤停止とする。

     (症状や行動歴等を確認しながら期間は検討する。)

★症状によりPCR検査を実施した場合

✅陰性:発症日を0日として8日間は体調観察、また内服薬を飲み切り3日間、症状がなければ勤務復帰とする(8-3ルール)

  

★濃厚接触者になる可能性がある場合

✅状況を報告し指示を仰ぐ。場合によっては自宅待機とする。


体調不良の場合(出勤後)

【施設に看護師がいる時】

 ✅抗原検査を行う。(厚生労働省から抗原簡易キットが配布される)

 ✅当該職員は、自家用車で待機、看護師が検体採取する。

   抗原検査 ➡ 陰性:偽陰性の可能性もあるため、速やかに受診する。

          陽性:受診して確定診断を受ける。

【施設に看護師がいない時】

 ✅すぐに退勤し、受診する。

   (注意)抗原検査は出勤後に軽い症状が判明した職員にのみ行う。受診に代わるものではない

       体調不良時は、受診することが基本であることを徹底する。

初動対応③ 職員家族等に体調不良等があった場合

★体調不良の場合

 ✅受診し、医師の指示に従う。迷う時は施設に連絡する。状況を総合的に判断し、対応を決める。

★濃厚接触者になる、またはPCR検査を受ける場合

 ✅結果が出るまで自宅待機とするが、感染初動対応は開始しない。

 ✅陽性と判明したら、感染初動対応を開始し、職員がPCR検査で陰性でも当分の間は解除しない。

  

★濃厚接触者になる可能性がある場合(家族の学校、勤務先等で陽性者が発生したとき)

 ✅基本は勤務とする。

 ✅家族と陽性者が接触した状況によっては、自宅待機とする。

    ※ 自宅待機中は不要不急の外出はしないこと

初動対応④ 初動対応開始の判断について

 上記①~③のいずれかの状況が発生した場合、当該職員の出勤状況などを確認して、初動対応を開始するか判断します。初動対応の内容については、以下のようになります。

 ✅感染初動対応を開始する場合は、併設している全ての部署とする。    

 ✅各部署の「係長・主任など」 ➡ 「リーダーなど」 ➡ 「当日の責任者」に連絡する。

 ✅細かな対応は、現場に即したかたちで判断し実施すること。

 ✅各事業所の出入口に感染対応カート・ペダル式ゴミ箱を設置する。 

 ✅委託業者については、陽性者がでたら入らない。

事象が発生した場合の連絡体制

 対応が開始された場合の連絡体制については、以下のとおりになります。

感染者発生時の環境準備について

<濃厚接触等でありコロナ症状発症者、発熱者、または感染疑い、疑似症者>が発生

★個室の場合

✅個人の個室で隔離対応開始。個室はレッドゾーンとする。

★多床室の場合 

 ✅居室内の全員が、同居室で隔離対応開始。

       ※個室が空いている場合、多床室発熱者を個室へ移動

       ※同室者は14日間居室隔離(部屋から出ない)

 ✅各ベットごとにカーテン隔離とする。

 ✅離床せず居室対応

 ✅マスク装着、ベットの間隔を2m以上あける。

 ✅該当の4人部屋をレッドゾーンとする。

       ※最終的なゾーニングの決定は保健所、感染管理認定看護師の指示により行う。

ゾーニング後の対応

 汚染区域、清潔区域出入り方法について解説していきます。

 ✅汚染区域(レッドゾーン)へは必ず防護具を着用する。

  ※ 防護具を着用しない状態での出入りはしないこと!!

  ※ 区分エリアは分かり易いようにテーブル、つい立て等使用し

    エリアを区別する。

 ✅防護具の着脱場所を設定する。

 ✅区分エリアに感染防護具セットを設置する。

 ✅レッドゾーン居室前に感染防護具セットを設置する。

     防護具を脱ぐ場所は汚染区域となるため赤色テープで囲う。

     防護具着用場所は黄色テープで囲う。 

   ※ 職員間で共有できるよう各丁目に感染区分の見取図を掲示する!!

 ※ レッドゾーン居室ドアには「立ち入り禁止」赤いテープを貼る等して明確に表示する

 ※ 居室出入口にビニールカーテンや暖簾等を用いると、手が触れる場所が増え汚染リスクが高まるため使用しない

 レッドゾーンとなった居室の出入り口については、必要備品を用意しておく。

 グリーンゾーン、レッドゾーンの出入り口は明確にし、ガウン等の脱着する場所も分かりやすくする。

感染対応に必要な感染防護具セット内容

① ガウン(袖付き)または袖なしワイド

② プラスチックグローブ

③ マスク

④ シューズカバー(※1)

⑤ ヘアキャップ

⑥ アルコール消毒;全身等への噴霧用

⑦ アルコール消毒;手指消毒用

⑧ アルコール消毒綿

⑨ フェースシールド(※2)

⑩ ビニール袋

※1 シューズカバーは使用しなくても可(脱ぐときに汚染されるため)

   →シューズを都度アルコール消毒(噴霧)とする方法でよい。

※2 フェースシールドはアルコール消毒綿で拭き使用可(1回ごとで廃棄しない)

感染者及び濃厚接触者への対応

・ 4人部屋での陽性者が発生した場合は、(可能な限り)原則として陽性者を個室へ移し、

 同室者はそのままの居室で隔離とする。

・ レッドゾーンの4人部屋でのケアは陽性者、発熱者を一番最後にケアする。

・ レッドゾーン居室は、なるべく同一職員が対応するように各日の勤務者で調整する。

   ※無理な場合はケアを最後に入る等にし、手指消毒を確実に行う。

・ 職員は「1ケア1手洗い(手指消毒)」「ケア前後の手洗い(手指消毒)」を徹底する。

・ 換気の実施。(部屋の温度にも気を付け、常に窓を開ける)

・ 体温計、パルスオキシメーターなどは可能な限り各自専用とする。(使用後はアルコール消毒)

・ 防護具を脱ぐときは「1動作1手指消毒」を確実に行う。

濃厚接触者、感染者の解除について

< 濃厚接触者の解除 >

・ PCR検査陰性の濃厚接触者は、感染者との最終接触から14日間は健康状態の

 観察を行い、問題なければレッドゾーンを解除する。

< 感染者居室の解除 >

・ 陽性者が使用した部屋は、使用後3日間(72時間)は封鎖

  ⇒ その後アルコール消毒又は、次亜塩素酸ナトリウムで消毒をしっかり行い、

    十分な換気を行ってから使用とする。

感染対応会議の必要性について

・ 感染対応期間中は、状況に応じて随時、感染対応会議を開催する。

・ メンバーは該当部署の役職職員等を中心とし、各部署の責任者、主任またはリーダー等を招集し開催する。

【内容】該当職員の体調や状況の確認

    ご利用者や他の職員の体調変化の観察、確認等の情報共有

    感染対応のレベルの見直し

    入浴の開始

    感染対応の解除の時期

・ 必要に応じて、会議の内容を施設長、本部事務局長等に速やかに報告する。

・ 当日中に会議録を作成し、回覧する。

職員への支援について

 感染状況下での勤務は、精神的にも身体的にも負担が非常に大きくなります。職員に感染者が出たり、事情により勤務できない職員が出てくると、休みをとることも難しくなります。

 感染対応が長引けば、職員の不満も溜まってきます。職員への支援も必要な要素になります。

 例えば...

✅クラスターが発生している該当部署に勤務する職員に対して、危険手当を支給する

✅自宅に戻れない職員に対して、宿泊費の一部を補助する

✅クラスター収束後に、特別休暇を付与する

などです。

 また、クラスターが発生した時に、実際に勤務できるのか事前に確認しておくことも重要です。

最後に

 本記事を最後までお読み頂きありがとうございました。

 新型コロナウイルスの感染は、第6波と言われるほど再拡大をしてきており、感染力が強いオミクロン株が占める割合も増えてきている状況であります。

 本当に、いつ誰が感染するか分からない状況であり、施設にもいつ感染の波が押し寄せてくるのか分かりません。

 やはり、事前にできる準備や対策を行っておく事が重要になります。本記事が、感染対応の参考になれば嬉しいです。

 本ブログでは、各種研修や介護保険状況、福祉職員の心構えなど、豊富な記事をご用意しておりますので、もしよろしければ、他の記事も参考にしてみて下さい。ありがとうございました。

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