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ブルース・ウィリス俳優引退 その原因となった失語症とは⁈失語症の症状と関わり方について解説

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 こんにちは、ほしくずのクズきちです。

 昨日、思いもよらぬニュースが流れてきました。俳優のブルース・ウィルス氏の突然の引退報道です。最近まで、某ケータイ電話会社のCMにも出演されていたので、本当に驚きでした。

 個人的に好きな俳優さんのひとりで、「ダイ・ハード」シリーズや「アルマゲドン」、「シックスセンス」など多くのヒット作品に出演されており、アクションからシリアスな役柄までこなす、素敵な方だと感じておりました。

 この度、ブルース・ウィリス氏の家族からSNSを通じてその引退が報告されました。

 原因は、最近になって言葉がうまく出てこない等の症状から「失語症」と診断されたことのようです。

この記事でお話する内容

○失語症の原因

○失語症の症状

○失語症の方との関わり方について

 「失語症」と聞くと、真っ先に脳に障害を抱えているのではないか?脳卒中の既往があるのか?など福祉職としては、すぐにアセスメントに入ろうとするのは悪い癖ですね(笑)今回は、この「失語症」について解説していきたいと思います。

俳優ブルース・ウィリス氏とは

 「失語症」について解説する前に、少しだけブルース・ウィリス氏についてご紹介します。

 正式にはウォルター・ブルース・ウィリスWalter Bruce Willis)という名前で、当時の西ドイツ出身のアメリカの俳優です。個人的に一番有名だと思われるのが「ダイハード」シリーズのジョン・マクレーン役ではないかと思います。

 「イッピーカイエー、マザーファッカー!」は印象に残るセリフです。日本語吹き替えでは「 イッピーカイエー 、ざまあみろ!」と吹き替えられていたことを記憶しています。「ダイハード」でハンスに向かって放たれた言葉ですね。

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失語症とは

 失語症とは、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による言語障害のひとつです。脳の言語に関する機能を司る部位に損傷を受けることが起こります。

 話すことや言葉を理解すること、聞いたり読んだりすることなど、言語に関することがうまくできなくなり、一般的には左脳に梗塞や出血が起きると失語症になります。

 失語症には、主に5つの種類があると言われています。

失語症の種類

1,運動性失語

2,感覚性失語

3,健忘失語

4,伝導失語

5,全失語

 それぞれの失語症の症状について、ひとつずつ解説していきます。

運動性失語

 運動性失語では、相手が話していることは理解できますが、思ったとおりに話すことができず、主として発音がうまくできなくなります。これは、大脳の前頭葉にあるブローカ領域と呼ばれる部分に障害が起きると発症するため「ブローカ失語」とも呼ばれます。

感覚性失語

 感覚性失語では、流暢な会話をすることが可能ですが、意味の分からない内容になってしまい、相手の話していることも理解することができなくなってしまいます大脳の側頭葉にあるウェルニッケ領域と呼ばれる部分に障害が起きると発症するため「ウェルニッケ失語」とも呼ばれます。

健忘失語

 健忘失語では、話を聞いて理解することはできますが、言葉がうまく思い出せないため、回りくどい言い方や話し方になってしまいます。そのため「あれ」や「それ」などの指示代名詞が多くなってしまいます。

伝導失語

 伝導失語では、聞いて理解する力はありますが、言い間違い(錯語)が多くなります。単語の一部、あるいは違う単語に間違えてしまうなどの症状が見られます。

全失語

 全失語とは、重度の失語症で「話す・聞く・書く・読む」などを意味のある言葉で表現することがほとんどできない状態、もしくは無言になる症状です。聞いて理解する能力に関しては、ほとんど失ってしまう重度な場合から、ある程度保たれている状態までさまざまです。

 脳の中大脳動脈が障害されることで起こります。

認知症と誤解されやすい失語症

 アルツハイマー型認知症では、健忘性失語の症状が見られることがあります。物の名前がわからなくなったり、言い間違えをしたりします。しかし、健忘性失語の症状が見られるからといって、「失語症=認知症」とはならないことを理解しておくことが必要です。

 脳血管障害による健忘失語では、話の内容が理解できていることが認知症との大きな違いです。このことに気づかず、認知症の方と同じような扱いをしてしまうことは、ご本人のプライドや自尊心を深く傷つけてしまうことにつながります。

 医師などによる正確に判断を根拠に対応していくことが重要です。

失語症の方との関わり方

 突然の事故や病気によって脳が障害され、失語症になってしまった人の悲しみや苦しみは計り知れません。

 私たちが日頃当たり前にできている会話が急にできなくなる、失語症の方の心理的なストレスを理解する姿勢が大切です。もし家族や身の回りの人が失語症になってしまったとき、ご利用者が失語症で苦しんでいるとき、その人が孤立してしまわないように接していくようにしましょう。

 ここからは、失語症の方と接するためのポイントについて解説していきます。

接し方のポイント

1,プライドや自尊心を傷つけない

2,話すことを焦らない、焦らせない関わり

接し方のポイント① プライドや自尊心を傷つけない

 言葉がうまく出てこなかったり、言い間違えや話がうまく理解できなかったとしても、それをバカにしたり、笑ったり、子ども扱いをするような態度は決してとってはいけません

 話すことができなくても、内容を理解したり、うまく伝えようと努力していたり、その方は必死にあなたと関わりを持とうとしています。その気持ちを蔑ろにして、プライドや自尊心を傷つけて良いなんてことはありません

 きちんとその方を向き合って、真摯に耳を傾け、伝える努力をしていきましょう

接し方のポイント②  話すことを焦らない、焦らせない関わり

 話すことを焦らせてしまうと不安やストレスを強く感じてしまいます。顔を見ながら視線を合わせ、お互いの表情が見えやすい位置で話すことを心がけましょう。相手の表情や視線の動き、身体の動きなどから相手の気持ちを感じながら、相手が伝えようとしていることを最後まで聴く施設が大切です。

 その上で以下の点に注意して関わっていく事が重要です。

焦らせない関わりのポイント

○ゆっくりとした口調で、はっきりと短い言葉で話す

○急に話題を変えないこと

○言葉が出にくい時は、「はい」「いいえ」などで答えられる質問を活用

○絵や写真、ジェスチャーなどで会話の理解を手助けする

 それでも、どうしても伝わらないことはあります。そんな時は一緒に残念な気持ちを共有しましょう。失語症の方の話を全て理解したり、こちらの話を全て伝えきることはなかなか難しいです。伝える気持ち、聴く姿勢が一番重要であることを理解しておきましょう。

最後に

 失語症は、リハビリを行ったとしても、以前のような状態に戻ることは難しいです。多くの方が、その症状を抱えたまま、その後の人生を送らなければなりません。

 しかし、大切なのは日々の生活の中で言葉を使う場面や環境、そして周囲の人たちの理解や支えがあれば、安心して生活できる環境を提供する事ができます。


 言葉はうまく使えなくなっても、それぞれの人間性は変わりません。周りの人が失語症について正しく理解し、失語症者が楽しくコミュニケーションをとれる環境を作っていくことが重要だと思います。

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