皆さん、お疲れ様です、今回は、私が短期入所の相談員時代に稼働率向上・維持のために実践したことについてまとめていきたいと思います。
〇ショートステイの稼働率が上がらないけど、どうすればいいの?
〇管理者から営業しろと言われるけど、どうすればいいのかわからない
生活相談員の悩みの種のひとつとして、「稼働率」があります。稼働率...あぁなんて嫌な響きなんでしょう...月末や請求時期は嫌になるほど意識してしまいます。施設を運営する上で、稼働率は介護報酬、つまり施設の収入に直結する大切な要素です。ゆえに相談員には、その稼働率を維持するための責務が重くのしかかってくるわけです。私も以前の事業所では、月平均稼働率97.5%をノルマとされ、それを達成できない時は、法人内の相談員が集まる場で達成できなかった事を報告し、達成するための手段を示し、法人の責任者からディスられたという記憶があります。まぁ、一般企業では営業で成績を上げられなければ評価されないので、当たり前と言えば当たり前ですけど...。稼働率低くても給与や立場に響かない福祉業界は、そういう意味では異質なんでしょうね。
稼働率をあげる解決策は...
ケアマネが相談したい相談員ベスト3に入ること!
介護・看護が相談しやすい、話しかけやすい相談員であること!
では、具体的に見ていきましょう☆
ケアマネが相談したい相談員ベスト3に入ること!
短期入所を利用してくれるご利用者がいなければ、当然稼働率を維持していく事はできません。そして、そのご利用者を紹介してくれるのが、居宅介護支援事業所のケアマネさん達です。この方たちとの関係性を構築し、連携を取ることで、ご利用者を紹介してくれる可能性もグッと上がります。私は、居宅のケアマネさんが困った時に、「あの人なら」と思ってもらえるように行動してきました。では、そのために私が取り組んだ方法を紹介していきます。
定期的に事業所を訪問する
まずは、定期的にケアマネさんの事業所を訪問する事です。時期としては、短期入所の予定ができた時と請求の実績ができた時です。その居宅が担当するご利用者の予定や請求実績が完成したら、直接事業所にお持ちするのがベストです。
最近は、FAXやメールなど手軽にやり取りできるツールが増えたため、訪問の手間を省く事業所もあるかもしれません。しかし、電話やFAXでは相手の表情が見えず、お互いにどういう気持ちで話しているのかが伝わりにくいです。顔を見て話す方が、関係構築の近道になります。また、法人外の居宅だと異動や新任などを把握しづらいため、早く覚えてもらうためにも訪問がベストです。
その際に、担当しているご利用者の短期入所利用中の様子や体調などを合わせてお伝えしましょう。ケアマネは定期的に自宅を訪問してご家族からお話を聞いたりしていますが、利用中の様子は家族だけでは十分に把握しづらいです。ケアマネが担当している事業所に、ひとつひとつ確認するのも大変ですので、利用中の様子を具体的にお伝えすると、ケアマネにとっても有益な情報となります。
また、定期的に訪問する事で、事業所に相談するタイミングができます。「そろそろ、○○さんが来てくれるから利用希望があった△△さんの相談をしてみようかな。」と準備してくれたりします。
あわよくば、ご利用者の延長希望や空き状況などを伝え、利用の追加につなげていきましょう☆
近くを通ったら寄ってみる
事前訪問などの帰りに、居宅の近くを通るようであれば少し顔を出してみるのも効果的です。訪問する回数が多ければ、それだけ認知される可能性も高まります。また突発的な相談にもすぐに対応でき、新規獲得のチャンスが生まれる可能性もあります。
お茶のみとまでは言いませんが、ご利用者の相談だけでなく、ケアマネさんの仕事上での悩みや自身の相談援助における不安を相談できるくらいの関係性ができるのが理想です。
困難事例に一緒に取り組む
ケアマネが抱える困難事例に対応する事は、信頼性を高めるとても大事な機会です。認知症や看取りなど、在宅で困っている家族の相談の中には、どの事業所もなかなか受け入れてくれない困難なケースがあります。こういったケースに対応していく事でケアマネの信頼を得ていく事ができます。
まず基本姿勢として、すぐに断らない事です。「転倒リスクがある」「夜間なかなか眠れない」「急変の可能性がある」などの理由だけで事業所から利用を断られるケースがあります。多くはその状態になる要因を知ろうとせず、先入観のみで断ってしまう事が多いのかなと思います、もちろんリスクを背負う事になりますので、介護現場とのすり合わせは必要になりますが、どんなケースであっても具体的な内容を聞いたり、どうすれば受け入れる事が可能になるのかその方法を一緒に考えたりする姿勢が重要です。
結果として受け入れる事が困難であり、断らざるを得ないケースもありますが、共に検討したことによって支援方法が見つかったり、詳しく話を聞いてもらえただけでも感謝して頂ける場合があります。
基本はすぐに断らない事です。すぐ断る人のところには、相談もしません!
介護・看護が相談しやすい・話しかけやすい相談員であること!
介護現場あっての相談員です。稼働率維持には、介護と看護の協力が必要不可欠です。ぶっちゃけ相談員は、介護現場からすると何をしている人かよく分からない人です。「いつも偉そう」「介護の大変さが分かってない」「なんでこんな人を利用させるのか」なんて言われることもしばしば。
だからこそ、普段からのコミュニケーションが大切。話しやすい存在である事が大切なんです。
稼働率の重要性について理解してもらう
まず、介護の立場からすると稼働率は低い方が楽です。慢性的なマンパワー不足の中で、稼働率が高いと、介護の負担は増大します。延長や追加の話をすると嫌な顔された経験も多々あります。
でもよく考えてみて下さい。稼働率が低いという事は収入が少ないという事なんです。収入が少なければ賞与に影響が出たり、新たに人を採用する事も難しくなります。施設の収入は、ご利用者からの介護報酬です。その事をよく理解してもらう必要があります。
特に賞与に関しては、介護職員処遇改善加算や介護職員等特定処遇改善加算が関わってくる事業所もあると思います。これは基本報酬に対して一定の割合で入る報酬ですので、稼働率が下がればその分賞与等も下がる可能性があることを理解してもらいましょう。ちなみに生活相談員は、制度の構造上この処遇改善加算の恩恵はほとんどありません。これも伝えても良いかも...
一般企業で考えれば、利益がさがれば給与も下がる、リストラもある、当たり前の事なんですが、この辺の感覚は、やはり福祉業界には乏しいですね。
ご利用者の情報は具体的に、事実を伝える
新規利用される方については、ご利用前に情報提供をする場があると思います。この時に感覚的な情報でなく、具体的な事実を伝えるようにしましょう。ケースを紹介される時に、ケアマネさんから「認知症がすごくて」「トイレが頻回で」という情報があったとします。それは、あくまで「ケアマネさんが今まで経験されてきたご利用者の中で」という場合があります。現場にそのまま伝えたところで、不安にさせるだけです。
認知症について、どのような中核症状があってどの周辺症状が顕著に見られるのか?どういった時にそのような様子が見られるのか?不安を感じるのはどんな時か?などを確認し、きちんと伝える事が重要です。一番苦しんでいるのは、ご利用者自身なので、少しでも安心して過ごしていただける環境を作り出すためにも、より具体的に事実を伝えるようにしましょう。
「いつでも相談してね」とあえて伝える
何かあれば相談してほしい、言ってほしいとあえて伝えましょう。相談員は忙しそうというイメージや話しかけづらいイメージが付きやすいです。しかし、ご利用者のために働く仲間であるため、現場が不安に思っている事には、きちんと耳を傾けましょう。
大切なのは、不安な気持ちを受け止める事とその不安になっている事象を整理して、課題を見つけ解決策を提示する事です。現場の方は、不安な感情をそのまま表現して伝えてくることが多く、抽象的な内容になりがちです。それを具体的にしていく作業が必要です。
「認知症がひどくて大変です」などの内容であれば、いつの時間帯なのか、どういった様子が見られるのか、他のご利用者に影響があるのか、どのような状態であれば安心して受け入れられるのか、などに整理していきます。全てが解決するとは限りませんが、具体的な内容になれば、それについての解決策も浮かびやすくなります。介護のプロである職員であれば、今までの経験から解決策を自ら導き出せる場合もあります。
職員の不安は、面倒くさがらず、きちんと耳を傾けて整理してあげましょう☆
まとめ
○ケアマネが相談したい相談員ベスト3に入ること!
○介護・看護が相談しやすい、話しかけやすい相談員であること!
福祉の基本はコミュニケーションです。自分を知り、相手を知ろうとする姿勢が大切です。関係を構築し、日々の業務に取り組んでいってもらいたいと思います。