福祉従事者の現状
GoToキャンペーンの影響か、新型コロナウイルスの感染が広がっています。我々福祉従事者は、感染予防に努め、施設で感染者が出ないように細心の注意を払いながら、日々業務に携わっています。各施設の対応は多少異なるかもしれませんが、県外への外出を禁止されたり、不特定多数の集まる場所での飲食を控えたり、同居家族も県外へ外出した場合は出勤自粛になったりと、我慢の日々が続いています。世間では第3波などと言われていますが、我々にとってはずーーーっとコロナ対応は変わりません。医療従事者と同様、コロナが拡大してから全然変わらないんです。[affi id=44]
世間と違うことと理解はするが...
「ご利用者の命を守る」ことを大前提に日々の生活を送っているわけです。世間の流れとは異なり、対応は続けていかなければならず、終わりが見えない状況です。医療・介護従事者は、世間と同じ意識ではいけないのです。この仕事を選んだ以上、こういった対応は当然かもしれません。ですが、時より思うのです。GoToキャンペーンで騒いでる様子をテレビで見てはイライラしたり、何人感染しましたと聞いては「自業自得だろ。」と思ったり、負の感情で溢れてしまいます。終わりの見えない戦いが続いています。早く感染が落ち着き、安心できる生活が送れるようになるといいですね。[affi id=37]
BCP策定義務化へ
BCPとは「事業継続計画」のことで、福祉施設等は災害時や感染症拡大を想定してのBCP対策を講じることが必要になります。昨今の自然災害や新型コロナウイルス感染症から利用者、職員、福祉施設を守っていくためにBCP対策や防災対策を今一度見直すことが求められます。
BCP対策とは
BCPとは「Business Continuity Plan」の略で「事業継続計画」のことです。
自然災害や新型コロナウイルスの感染発生などの緊急事態が生じた場合に、事業を継続できるよう計画を立てるための対策をBCP対策といいます。
つまり自然災害などの緊急事態が生じた際に介護事業所等が被害を被っても事業を継続できるように必要な対策をあらかじめ立てておくことです。
緊急事態には当然自然災害も含まれるため、防災対策もBCP対策のひとつといえますが、BCP対策はそのような状況下でも事業を継続できるようにするための対策ですので災害のリスクをなくす、被害を最小限に止めることを目的とする防災対策とは少し意味が違うことに注意しましょう。BCPには自然災害のほかにも感染症、事故、紛争やテロ、その他の事業継続を脅かすすべての事態を含みます。
令和3年度介護報酬改定でBCP策定が義務化
今回の介護報酬騎改定の基本方針の中に「感染症や災害への対応力強化」が掲げられています。感染症対策として委員会の開催、指針の整備、研修の実施等、訓練の実施を義務づけるとのことで議論されています。また介護福祉サービスのすべてを対象に感染症や災害が発生した場合の業務継続に向けた計画等の策定、研修の実施、訓練の実施等を義務づけるとしています。(3年の経過措置あり)
BCP策定義務付けの背後にあるもの
BCP対策の策定を義務づける方針が打ち出された背景にはやはり新型コロナウイルス感染症の感染拡大、近年発生頻度の増している自然災害が背景にあります。
現在も感染拡大を続ける新型コロナウイルス感染症は介護施設でのクラスターも発生するなど全国で猛威を振るっています。新型コロナウイルス感染症は基礎疾患のある方や高齢者が重症化しやすいという特性があるため、今後もより一層の感染防止策に努めながら必要なサービス提供体制を確保することが必要との見方からこの度のBCP策定を義務づける動きとなったと考えられます。
BCP策定は、ご利用者やそのご家族を守るとともに、施設の従業員や事業所の存在、事業所の価値を高める上で必要な事です。厚生労働省には、事業継続計画策定のための動画も公開されていますので、確認してみましょう。
厚生労働省 介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/douga_00002.html