こんにちは、ほしくずです。
今回お届けするのは、介護職員のための「個人情報保護に関する研修」の内容についてです。
施設の研修担当者はもちろん、個人的に学びたい人にもご活用いただけるように、研修資料の閲覧やそのまま施設の研修で使える動画も公開しています。すこしでも皆さまのお役に立てれば嬉しいです。
すぐ使える研修シリーズ
私たち介護の仕事は、常に個人情報を取り扱う仕事です。しかし、普段仕事をしている中では、その意識はだんだん薄れていってしまいます。研修を通じて、「個人情報を取り扱う職種であることの責任」「個人情報を漏洩しないための意識づけ」をしていただきたいと思います。
そのまま使える研修動画はこちら
個人情報とは何か⁉
個人情報保護法第2条によると...
「個人情報」とは、「生存する個人に関する情報であって、その情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により当該情報が誰の情報であるかを識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより個人が誰であるかを識別することができることとなるものを含む。)」をいいます。
個人情報をデータベース化した場合、そのデータベースを構成する個人情報を、特に「個人データ」といいます。
また、個人データのうち、開示・訂正等の権限を有し、6か月を超えて保有する情報を、特に「保有個人データ」といいます。
もっと簡単に言うと...
○個人に関する情報であること
○特定の個人を識別できること
○要配慮個人情報
具体的に言うと...
〇氏名、性別、生年月日、年齢
〇本籍、住所、個人番号(マイナンバー)
〇勤務場所、職業、収入
〇電話番号、家族構成
個人情報保護の研修が必要な理由
介護サービスを利用するためには、個人情報が必ず必要になります。そして、利用中も利用を中止・終了した後も長い期間保存されるものです。私たち介護サービスを提供するものにとっても、ご利用されるご本人や家族にとっても、非常に大切なものです。
ポイント
・介護は、常に個人情報を取り扱いながら仕事をしていることを自覚する必要がある
・誰もがご利用者の大切な個人情報を漏洩させてしまう可能性がある
ということになります。
介護サービスに必要な個人情報
介護保険の申請、介護サービスの利用、介護サービスの終了に至るまで、あらゆる場面で個人情報は必要になります。
少し場面に分けて、実際にイメージしながら振り返ってみましょう。
介護サービスを利用するまで
介護サービスを利用するには、介護保険の申請が必要です、そして、サービスを利用するには、ケアマネジャーを選定し、利用したいサービスを選択する必要があります。
ポイント
〇介護保険の申請など ・・・氏名、年齢、住所、電話番号などの情報が必要
〇介護サービス利用希望・・・身体状況、既往歴、家族構成、性格、趣味などの情報が必要であり、ケアマネや事業所、主治医などに
その情報が共有される
〇介護サービス利用開始・・・初対面の介護職員が、共有された自分の情報を知っていることになる
サービスの利用までを考えても、かなり多くの機関や事業所、個人に個人情報が知られている状況になります。
サービス開始時には、初対面であるにも関わらず、自分のことをよく知っている介護職員が、気軽に話しかけてくるわけです。普段の自分の生活で考えたら、例えば飲食店の店員が初対面なのに、自分の情報を知っていたら怖いですよね。
介護サービスを利用したら
介護サービスを利用すると、日々の生活そのものが全て記録されることになります。
ポイント
〇介護サービスの利用中・・・日々の記録(食事量、排せつ、入浴の有無、様子)が介護記録として残される
〇介護サービス利用継続・・・介護記録は、膨大なデータとなっていく
〇介護サービス利用終了・・・利用しなくなっても、記録の保存期間がある
利用中の行動・やること全て記録され、変わった言動があれば、それも記録されてしまいます。
そして、それはサービスを終了した後も、事業所に一定期間保存されています。
個人情報が漏洩したらどうなるのか
万が一個人情報が漏洩した場合、どのようなことが起こるのかイメージしておきましょう
ポイント
〇漏洩した情報により、ご利用者や家族などが迷惑行為や被害に遭う可能性がある
〇漏洩した情報が悪用されることで、ご利用者や家族などが詐欺や事件に巻き込まれる可能性がある
〇情報の漏洩により、個人・事業所が様々な損失を受ける可能性がある
ご利用者や家族に迷惑・損害を与える可能性があるだけでなく、漏洩させた事業所も信用失墜や行政指導の対象になる可能性があり、ダメージを受けることは避けられません。
個人情報は、どこから漏洩するのか
では、個人情報が漏洩する場合、どんなことが原因で漏洩してしまうのか確認しておきましょう。
ポイント
①施設で働いている職員
②施設に出入りしている家族や業者など
③施設を退職した職員
④施設のパソコンやスマートフォン
⑤施設で窃盗が起こった場合
①自宅で家族にうっかり話をしてしまったり、友人や近所の人に聞かれた時に、何気なく教えてしまったりしていませんか?他愛もない会話の中にも、個人情報が含まれている場合があります。施設に関することや入所されている方に関することは、例え親しい仲であっても話してはいけません。
②施設には、家族や業者が出入りしています。職員同士がケアについて話している内容が聞こえてしまった場合、情報が漏洩してしまう可能性があります。個人的な情報交換をする場合には注意が必要です。
③退職したからといって、施設で知りえた情報を話していいということにはなりません。退職後、自分には関係ないという理由で情報を漏洩させることは決してあってはならないことです。
④施設のパソコンなどがコンピューターウイルスに感染してしまったり、無断で自宅に持ち帰ったり、ウイルス感染した機器につないでしまったりすると、情報が抜き取られる可能性があります。
⑤施設の管理の問題でも情報漏洩する可能性があります。物理的にパソコンや重要書類が盗まれれば、そこから個人情報が漏洩する可能性は十分あるのです。
研修のまとめ
では、今回の研修内容についてまとめておきましょう。
まとめ
〇介護現場では、常に多くの個人情報を取り扱っていることを自覚すること
〇個人情報が漏洩した場合、ご利用者や家族はもちろん、事業所やそこで働く職員にまで被害が出る可能性があることを知っておくこと
〇個人情報を取り扱う以上、責任を持って行動すること
個人情報は、ご利用者の大切な情報です。日々の業務で大切な個人情報を取り扱っていることを自覚し、責任ある行動をしていきましょう。