こんにちは、ほしクズです。
皆さんは、今の施設の現状に満足していますか。介護の仕事をする上で、皆さんが理想とする施設像や目指すべき姿、思い描く未来があると思います。例えばこのような施設です。
理想とする施設像
○ご利用者がその人らしく生活できる場所
○ご利用者も職員も笑顔になれる施設
○ご利用者個々に合わせたサービス提供
○誰もが安心して過ごせる施設
「誰もが安心して過ごしてほしい」、「働くなら楽しく働きたい」、「職員中心でなく、ご利用者のことを考えたケアをしたい」など、様々な想いから、そういった理想を描くのだと思います。
では、現実はどうでしょうか?
その理想の施設になるためには、多くの課題が山積していると思います。
理想の施設を阻害するもの
○慢性的な人手不足
○自分たちの業務を優先せざるを得ない
○職員間で温度差がある
○ご利用者を敬う気持ちがない
○モチベーションが上がらない
様々な要因によって、それが叶わない現実があると思います。
通常の業務を維持することで精一杯。理想と現実のギャップが辛い。
何かを変えようとしても、どのような手順で、どうすれば良いのか分からない。
そんな想いを抱えている人が多いと思います。
介護職員は、身体的にも精神的にも負担が大きい仕事です。なかなか行動を起こす気持ちになれないのも仕方ありません。
しかし、どこかでその状況を打破できなければ、むしろ退化していったり、今よりももっと苦しい状況に陥っていく可能性があります。
今回は、今の現状を少しでも変えていきたいと「行動」しようとする人のために、ロードマップを示していきたいと思います。
今、行動を起こさなければならない理由
すでに、介護保険制度を取り巻く社会状況は厳しくなってきており、その状況は今後さらに進んでいく可能性があります。まずは、そのことを理解することが必要です。
どのような状況になってくるのか、大きくは以下の3つが考えられます。
介護保険を取り巻く状況
①高齢者のさらなる増加
②「高齢者の急増」から「現役世代の急減」
③令和6年度の介護報酬改定
高齢者の増加と現役世代の急減については、下記の記事を参考にしてみて下さい。
令和6年度介護報酬改定については、下記の記事を参考にしてみて下さい。
今後の社会情勢は、生産性においても介護報酬的にも厳しくなっていく一方です。
今のままの状態で続けていては、いずれ変わりゆく社会の流れについていくことができなくなります。もっと厳しい職場状況になります。
それでも何も行動しないという選択肢を選ぶのであれば、これ以上読んで頂く必要がありませんので、ブラウザバックするなどページを閉じて頂いて大丈夫です。
今の環境に文句を言い続け、自分たちだけが不遇に扱われているように振る舞い、悪いのは全部「誰かのせい」にして、変わらぬ現状にもがき続けてください。
でも、このページにご覧いただいているあなたは、これから「行動」して、少しずつけていこうという意思のある方のはずです。
このロードマップは、即効性のあるものではありません。「行動」したからといって、すぐに状況は変わりません。しかし、「行動を起こしたあなた」が、周囲を変えていく力になるはずです。
そんな気持ちのある方は、ぜひ本記事を参考にして頂けたら嬉しいです。
理想の施設を目指すマインドセット① 理想の施設を大いに語り合おう
さっそくですが、質問です。
質問①
▢あなたは、どんな施設にしたいですか?あなたが目指す理想の施設は、どんな施設ですか?
▢それは、どうしてですか?
この質問にお答えしてもらうにあたって、ひとつ注意点があります。自分の中の「できないだろうという気持ち」を完全に排除して、いろいろな制限や言い訳から解放した状態で考えて下さい。
ポイント
「○○みたいな施設にしたいけど、今は人がいないから…」
「○○なケアを実践したいけど、スタッフのモチベーションが…」
などの制約を外して考えること
施設を作り上げていくための第一歩は、「理想の施設(目指す目的地)」を考えることから始まります。
施設の中心となる主任やリーダーが、この「目的地」に対しての考えを持たないままでは、スタッフは何を理由にそれをやっているのかが理解できず、「やらされる感」が強くなってしまいます。
まず施設の中心となる人たちが、この「目的」をしっかりと持っていることが重要になります。
では、シンキングタイム⏱.............
考えましたか?
今、あなたが考えたものは、もしかしたら「理想でしかない」「非現実的で不可能」と言われるかもしれません。
ポイント
「理想の施設(目的地)」は、今そこに辿り着いてないからこそ「目的地」になる
「理想」なくして何を目指して行動するのでしょうか?
「こんな施設にしたい」「こういう施設だったら楽しいだろうな」
そんな理想を思う存分思い描きましょう!
理想を語る大切さについて
「理想の施設(目的地)」を考えたときに、それを実現するための課題も見えやすくなります。
目指すべき姿を実現するためには、そこに辿り着くために乗り越えるべき課題が多くある現実があります。
理想の施設を具体的に示すことで、自分たちが何のために「行動」するのか?その意味を見出すことができます。その目的地に向かうためのプロセスが、人や組織を成長させます。
理想を語る意義
○理想の施設を明確にすると課題が見えやすくなる
○理想の施設を示すことで、課題に意義を見出せる
○あらゆる場面での判断基準ができる
今までいろんな制約の中で忘れてしまっていた「自分はこういう施設にしたい」という気持ち。
その気持ちが、これから行動する上での原動力になります。
ぜひ、思うままに理想を思い描いてください。
理想の施設を目指すマインドセット② 理想の施設を目指す上で、課題となるものを考える
理想の施設を作るという目的を達成するためには、様々な課題に取り組まなければなりません。そこで次の質問です。
質問②
▢理想の施設を実現するために、阻害要因となっているものは何だと思いますか?
理想の施設を実現するために、どのような課題に取り組んでいく必要があるのかを考えていきます。まずは、思うままに考えてみましょう。ここで考えた内容が課題や目標になります。
では、再びシンキングタイム⏱.............
どんなことでも、いきなりゴールに辿り着くことはありません。そこに辿り着くためにやらなければいけない事を上げて、具体的な対策をうっていきます。
例えば「東京ディズニーランドに遊びに行く」という目的があった場合、「じゃあ、これから行こう。」とはならないですよね。
○お金を貯める
○チケットをとる
○交通手段を考える
○仕事の休みをもらう
など、その目的に向かって行うべき目標をひとつずつ解決していく必要があります。
介護現場においては、こんな課題(目標)が上げられるのではないでしょうか?
理想の施設にするための課題
○人手不足の解消
○リスク管理の徹底
○介護技術・知識の習得
○接遇マナーの習得
この他にも、いろいろな課題があると思います。せっかくの機会ですので、リミット解除で考えてみて下さい。
組織慣性の法則 課題に向き合う大切さについて
ここで上げられた課題は、普段業務をしている中で、皆さんが感じている違和感や認識のズレだったりします。
施設の業務は、こういった機会がないと「同じ仕事」「同じやり方」「同じ人間関係」の中で「仕事が固定化」されていきます。
「なんとなくこの方法で...」「前からこのやり方でやっているから...」と業務に疑問を持たなくなり、思い込みにより業務が進んでいく事になります。
組織慣性の法則を知っていますか?
同じ組織に中で過ごしていると、いつしか「今までのやり方を今までの通りやろう」という心理が無意識に働くようになります。
同じ人間関係で、同じ仕事を同じやり方で行うことで、仕事が徐々に固定化され、いつしか「これが正しい」と思い込み、変化を嫌うようになります。
そうならないために、今ある現状に対して課題を見つけるという意識は、とても大切です。
理想の施設を目指すマインドセット③ 「反発」や「批判」は想定内であること
さきほどの「組織慣性の法則」で考えれば、「変わりたくない」「今のままでいい」という意識が働きますので、「反発」や「批判」が起きるのは当然です。
こういった事象が起きることは、むしろ正常な反応と言えます。多くは、この事象に耐えられず、「行動」に移せないために、組織が停滞する原因になってしまいます。
「反対」や「批判」が起きる理由としては、「何が変わるのか不安」「どうやればいいのか分からないという不安」からです。
ポイント
一番最初が一番エネルギーを必要とする
ここがスタート地点で、少しずつ行動していく事によって、それらの事象は少しずつ良い方向へ向かっていきます。
「早起きを習慣にしよう」と思っても、実際に行動に起こすときには、エネルギーを必要としますよね。
「行動」は、そのスタートが一番エネルギーを必要としますので、「反発」や「批判」はあって当然くらいに思っておきましょう。
「あぁ、予想通り始まって草ッ」「狙い通りww」ってな感じです。
組織の中心メンバーから意識を統一する
前述したように、スタートが一番力を必要とします。組織の中の中心である主任やリーダーが、「理想の施設を目指す」という共通の認識を持ちましょう。この時点でブレてしまっては、施設を変えていくことは難しいです。
変わりたくない人たちは、その溝を狙って変わらない方向へ引っ張ろうとしてきます。だからこそ、多くのエネルギーを必要とするわけですが...
最終的には、全職員が共通の認識を持って「理想の施設」を目指さなくてはなりません。
まずは、組織の中心メンバーで「行動」することに納得してスタートしましょう。
①と②のマインドセットは、全職員を対象にして行う
「あるべき姿・理想の施設」=行動する目的、「あるべき姿・理想の施設にするための課題=目標
この2つの設定には、全職員で関わるようにしましょう。
その理由としては
ポイント
①他のスタッフが「自分たちの想いを聴いてもらえない」「自分たちの考えを聞いてもらえず、めんどうなことを押し付けられる」と感じてしまうから
②職員ひとりひとりに、きちんと考えてもらうため
①については、施設・組織を変えようとするときにつまづきやすいポイントです。いくら良いことをしようと思っても、一部の人間が勝手に決めたことに対しては、反発や批判が起きやすくなります。
「まずは、主任・リーダーがやってよ。」
こんな感じになってしまいます。
みんなが納得できる
人を動かすときに必要なのは、「説得」よりも「納得」です
そのためには、職員全員の考え「あるべき姿・理想の施設」について確認しておく必要があります。
②については、停滞している施設(組織)では、何かを考えること・変えていこうという意識が薄れており、「自分で考える」ことができなくなってしまっています。
考えること
自分たちで考えることを意識してもらう
何かを変えていくときには、職員のアイディアや工夫が必要になってきます。漠然としたものを具体的にしていく作業も必要になってきます。そのためには、自分たちで考えることが重要になってきます。
最終的には、考えて行動できることが理想ですが、まずは自分の考えをしっかり持ってもらう事に注視するべきです。
さあ、行動を始めよう!
お話してきたとおり、介護業界に限らず、社会状況はますます厳しい方向に向かっていきます。
人手不足・ニーズの多様化・求められるサービスの質
時代の変化に合わせて、私たち自身が変わっていかなければなりません。
そのための時間は、どんどん少なくなってきています。今の現状に嘆き、愚痴や文句を言っていても、何も変わりません。むしろ後退してくばかりで、ますます厳しい状況に追い込まれていくでしょう。
解決するためには
今、みんなで考えて行動しなければなりません
このブログでは、引き続き理想の施設を目指すためのロードマップを可能な限り具体的にお示ししていきます。
まずは、そのスタートとして「職員全員で理想の施設」について考えてみて下さい。