こんにちは、ほしくずです。
このブログでは、【すぐ使える研修シリーズ】として。研修資料や動画を多数ご用意していますので、ぜひご活用ください。
すぐ使える研修シリーズ
今回は、『褥瘡予防に関する研修』です。
特養における褥瘡予防の取り組みは加速する
褥瘡マネジメント加算の導入(平成30年度)
特別養護老人ホームと介護老人保健施設のご利用者に対して、国の指標に基づいた評価を行い、褥瘡のリスクを計画的に管理することで算定できる加算が導入されました。
⇒平成30年度の介護報酬改定により、褥瘡の発生予防のための管理に対する評価として新設されました。
褥瘡マネジメント加算におけるアウトカム評価の導入
令和3年度介護報酬改定
介護の質向上につながる取り組みをより推進する目的で、それまでの「褥瘡マネジメント加算」に、褥瘡の発生予防や状態改善等、褥瘡への取り組みに対する結果を評価する(アウトカム評価)区分が新設されました。
⇒褥瘡の発生予防やその改善に対する取り組みは、多くの事業所で当たり前に行われているため、その取り組みに対する結果が求められるようになってきている。
褥瘡マネジメント加算の算定要件
褥瘡マネジメント加算(Ⅰ) 3単位/月 (令和3年度より)
以下の要件を満たすこと。
イ 入所者等ごとに褥瘡の発生と関連のあるリスクについて、施設入所時等に評価するとともに、少なくとも三月 に一回、評価を行い、その評価結果等を厚生労働省に提出し、褥瘡管理の実施に当たって当該情報等を活用し ていること。
ロ イの評価の結果、褥瘡が発生するリスクがあるとされた入所者等ごとに、医師、看護師、管理栄養士、介護 職員、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、褥瘡管理に関する褥瘡ケア計画を作成していること。
ハ 入所者等ごとの褥瘡ケア計画に従い褥瘡管理を実施するとともに、その管理の内容や入所者等ごとの状態につ いて定期的に記録していること。
ニ イの評価に基づき、少なくとも三月に一回、入所者等ごとに褥瘡ケア計画を見直していること。
褥瘡マネジメント加算(Ⅱ) 13単位/月(令和3年度より)
〇褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)の算定要件を満たしている施設等において、施設入所時等の評価の結果、褥瘡が発 生するリスクがあるとされた入所者等について、褥瘡の発生のないこと。
LIFEへの提出
褥瘡マネジメント加算の算定にはLIFEへの情報提出が必要
ア 事業所・施設の利用者等全員について、「褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書」にある▽評価日▽計画作成日▽褥瘡の有無▽危険因子の評価――の各項目に係る情報を、やむを得ない場合を除き、すべて提出すること。
イ 褥瘡がある利用者等は、「褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書」にある「褥瘡の状態の評価」に係る情報も提出すること。
ウ 提出情報は、利用者等ごとに、以下の時点における情報とすること。
・(1)アに係る提出情報は、介護記録等に基づき、既利用者等ごとの利用開始時または施設入所時における評価の情報および当該算定開始時における情報
・(1)イに係る提出情報は、当該サービスの利用開始時における情報
・(1)ウに係る提出情報は、当該評価時における情報
褥瘡とは?
寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまう事です。一般的に「床ずれ」と言われるものです。 ※一般社団法人 日本褥瘡学会ホームページより
褥瘡ができやすい人
〇高齢者に多い
高齢者は、糖尿病や高血圧、腎機能障害、心疾患など複数の疾患を抱えている事が多いため、床ずれが発生しやすい。
〇栄養状態が悪い人
下痢や脱水、浮腫、誤嚥性肺炎など栄養状態を妨げる要因を複数併せ持つと床ずれが発生しやすい。
褥瘡の発生要因
圧迫
自力で寝返りが難しい方や、関節に拘縮があったり痩せて骨が突出していたりする方は、特定の部位の圧迫が強くなる可能性が高く、床ずれの原因になりやすいとされています。
摩擦
ベッドから車いす、車いすからベッドなどへ移乗する際に体を引きずると、その摩擦によって床ずれができやすくなります。また、車いすに座っているときにずり落ちてしまうとおしりや背中に摩擦が生じ、床ずれができやくなります。
不潔・蒸れ
汗や尿、便などで皮膚が蒸れて不衛生になると、"かぶれ"や"ただれ"が発生し、床ずれができやすくなります。
栄養不足
栄養不足になると抵抗力や治癒力が低下し、全身状態の悪化に繋がります。これにより身体の組織が弱くなり、床ずれができやすくなります。
DESIGN-R 2020から見る褥瘡の経過
褥瘡の予防
圧力を減らす
体圧分散寝具やクッションなどを使用して、圧力をできるだけ取り除くことが必要です。状態に合わせて、看護師や理学療法士などと連携しながら、どの寝具等を活用するか選択します。
圧抜きでズレを減らす
一時的にベッドから身体を離すことで、身体に生じているズレを解放します。体圧が再分配され、褥瘡の予防につながります。
車椅子上におけるプッシュアップ
介助者が支えて、車椅子からお尻を上げる時間を設けたり、ご自身の力でプッシュアップできる方には、定期的に声掛けなどをしましょう。
スキンケアの徹底
汗や尿・便などで常に汚染されている状態では、皮膚が脆弱になり、褥瘡ができやすくなります。皮膚の洗浄と皮膚を保護するためのスキンケア用品を活用しましょう。
最後に
〇褥瘡予防、褥瘡を発生させない事が介護としてのスタンダードとなってきており、その結果が評価される制度の構造となってきています。
〇褥瘡のできやすい人や発生要因について正しく理解し、褥瘡を予防することが大切です。
〇高齢者は、褥瘡が発生してしまうとなかなか治癒するのが難しいため、日頃のケアで気づいたことは情報として発信し、早期に対応できるようにしましょう。
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