こんにちは、ほしくずのクズです。今回は、介護リーダー向けに、チームケアを実現するための方法について解説していきます。介護リーダーの一番の悩みは、チームをうまくまとめられず、思うように機能させられないことではないでしょうか?
今回は、
チームケアを実現するたった1つの方法というテーマ
でお話していきます。
今回の記事でお話する内容はこちら↓
✅チームがうまく機能しない理由
✅チームケアを実現するための方法
チームがうまく機能しない理由
多くのリーダーが「チームをうまくまとめられない」「思うように成果を上げられない」といった悩みを抱えていると思います。介護は、チームワーク・チームケアが必要と分かっていても、それをうまく実現できていないのではないでしょうか⁈
私自身も組織の中で、リーダーという立場にありながら、「自分の伝えたいことが伝わっていない」「どうして分からないのか⁈」とイライラしてしまう事が多くあります。
では、同じチームであるのに、なぜうまくコントロールできず、チームケアを実現できないのか?それは...
価値観の違いにより、チームに摩擦が生じているから
このことが、チームの仕事の効率を低下させ、思うように機能させることができない原因です。
価値観の共有の必要性
チームに豊富な知識を持っている職員や介護技術が申し分ない職員がたくさんいても、必ずしもうまくいくとは限りません。そのチームに属する職員が、同じ方向性や価値観を共有できていなければ、チームを機能させることはできないのです。
つまり、価値観が近いメンバーでチームを形成していれば、リーダーの思うようにチームを動かし、成果を上げる事ができます。
そもそも「価値観」とは何か?
価値観を調べてみると、下記のような内容になります↓
どのような物事に価値を認めるのか、何に重きをおいて考えるのか、という判断
そもそも、どんな物事に「価値」を認めるかという感覚は、人によって大きく違ってくるもののようです。
そして、介護という仕事を行う上での価値観は、「この人は、介護するにあたって何を大切にしているのか」「誰に主体を置いているのか」「介護のベースにある考え方は?」ということを知ることが重要であり、知らないまま進んでいくのでは、チームワークに大きな摩擦が生じてくるということを認識しておく必要があります。
「いまどきの若者」の価値観を知る
時代が変われば、生きてきた環境によって価値観に違いが生じるのは当然のことです。自分より若い世代とは、価値観や考え方、受けてきた教育などが異なるため、特にそのギャップが大きくなります。
彼らに対しては、
どういう価値観を持っているのか、じっくり観察する必要があります
そもそも考え方の違う世代に、自分の時代のやり方を押し付けたところで、摩擦が大きくなるばかりです。まずは彼らの持っている価値観を理解し、行動させる方法を考えていく必要があります。
「どこまで指示をすれば良いのか」「任せられる分野は何か」と考えながら関わっていく事を意識しましょう。
チームケアを実現する価値観の共有
価値観の重要性については、お話してきたとおりですが、では価値観の共有とはどのように行っていけば良いのか?
そもそも、ひとりひとりの価値観を全て把握しているなんて事はほぼない思いますし、どちらかというと、相手の価値観をそれぞれの感覚や想像で補完しているほうが多いと思います。
「あなたの価値観を教えてください」と聞いたところで「はっ?」となってしまいます。
また、自分から「私は介護に関して〇〇な価値観を持っています」などとお話しできる人も少ないでしょう。自分では認識できていない部分も多いと思います。
では、どうしていけば良いのでしょうか?
理解のギャップをなくしていく
ご利用者への対応やケアプランの見直し、業務内容の改善など行う際に、その内容についてチームのメンバーがきちんと理解しておくことが必要です。この理解にギャップが生じていると、チームがうまく機能しなくなります。
ポイントとしては...
目的と期限を明確にする
ことです。
特にケアの内容については、その目的(理由・根拠)が明確にされていないと、「言われたからやる」「昔からやってたからやる」という感覚になり、やっている理由が個人任せになってしまいます。なるべく具体的に示すことが重要です。
例)食事中のご利用者の目の前で、食事を終えた人の歯磨き(入れ歯磨き)をすることをやめて、きちんと洗面所にお連れして口腔ケアを行う場合
食事中のご利用者の目の前で、口腔ケアをするのはやめましょう ⇒ NG
食事中の方の前で入れ歯を外したり、歯磨きをしたりする事を私たちは普段の生活でしないですよね。決して気持ちよいことではないので、口腔ケアは、皆さん洗面台でするようにしましょう ⇒ OK
いかがでしょうか?表現の仕方で伝わり方で全然違いますし、後者の説明では、なぜそのケアをしなければならないのかきちんと理解して業務に携わることができます。
不適切なケアは徹底的に正す
価値観は、「正しい・正しくない」を明確に分けるものではありませんが、不適切なケアや虐待につながる行為は、徹底的に正しておく必要があります。虐待のように顕在化した行為であれば、すぐに気づくことができると思いますが、注意しなければならないのは、不適切なケアです。
不適切なケアは、無意識のうちに行われている場合があり、この事が常態化するといずれ虐待に発展する可能性があるからです
不適切なケアについては、チームで共有しておくことが必要です。そのチームの会議などで、それぞれが考える不適切なケアを考えてもらい、発表し合うことで、その内容を共有できます。
不適切なケアの例
〇ご自分で衣類の着脱ができるにもかかわらず、時間がないという理由で、全て介助する。
〇ご利用者の呼びかけやご要望に対して、「ちょっと待って。」と言って長時間放置する。
〇トイレに行きたいと言うご利用者に対して「またぁ?」「さっきも行ったじゃん。」と言って後回しにする。
〇ご利用者の話を聞く時に、腕や肘をついたまま話を聞く。
この質問で職員の「価値観」を見極める
ある問題に直面した時や課題に取り組む時に、リーダーが率先して発言する場合もありますが、基本的にはチームメンバーの話を聞く機会を意図的に作りましょう。
あなたならどう考えて、どう行動しますか?
この時、リーダーは自らの価値観を分析・理解し明確にしておくことが重要です。自分の価値観から、あらゆる場面において「自分ならこうする」という考えを用意しておきましょう。
チームのメンバーに、この質問をしていき、価値観のズレについて確認していく作業を行います。ここで、チームメンバーの考えの違いを修正していく事で、チームとして「このケアは正しい」「このケアは不適切だ」という共通認識が構築されていくのです。
リーダーは、必ずしも全ての答えを導き出し、指導していく必要はありません。チーム全員が、同じ方向を向いて業務に携われるように関わっていく事が大切なのです。
最後に
介護という仕事は、一人ではなくチームで行っていくものです。ただ、その価値観に摩擦が生じていると、チームとして機能しなくなり、独りよがりの介護や不適切なケアに繋がっていきます。
介護の世界でも、科学的根拠に基づいたケアの推進が求められるようになってきており、「ケアの根拠」の重要性が叫ばれるようになってきました。今まで経験や感覚で行ってきた介護では時代遅れになります。
チームケアを実現し、ご利用者に質の高いサービスを提供できるようにしていきましょう。
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