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【議論開始】2024年介護保険制度改正で日本の未来はどうなるのか?介護保険の現状と改正の論点について

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 皆さんお疲れ様です。

 介護保険制度がスタートして21年が経ちました。

 介護保険制度が今後どのような役割を果たしていくのか?膨らみ続ける社会保障費にどう対応していくのか?社会全体での働き手の不足をどう解消していくのか?

 2024年度介護保険制度の改正は、その道しるべとなるべく内容となることは間違いありません。

 2025年には、いわゆる団塊の世代が全員75歳以上(後期高齢者)となります。そう遠くない未来に、日本社会はどこに向かうのか?

 高齢者を支える介護保険制度、そして介護に携わる私たちが、今から考えていく必要があると思います。

 2024年度の介護保険制度改正に向けて、厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会がいよいよ議論をスタートさせました。

 このブログでは、2024年度の介護保険制度改正に向けた動きを分析し、解説していきたいと思います。そして、改正に向けた準備をいち早く開始できるきっかけを作っていきたいと考えております。

介護保険制度の現状

 介護保険制度は2000年(平成12年)にスタートしました。

 今後の未来を見据え、高齢化や核家族化、介護離職などを背景に、介護を社会全体で支えることを目的として創設され、21年が経過しました。

 今では、介護サービスも多様化し、さまざまなニーズに応えるべく制度・サービスの充実化が図られ、生活を支えるシステムのひとつとしての役割を担っているのが介護保険制度です。

 しかし、今後は高齢者の数はますます増加していく一方、介護職員をはじめとする社会全体での働き手の不足が深刻化してきており、介護保険制度も現状のままでは、継続が難しい状況になってきています。

 介護保険制度を取りまく現状の整理からしていきましょう。

介護保険制度を取りまく状況① 高齢者数の増加

2015年2020年2025年2055年
65歳以上高齢者の人口(割合)3,387万人(26.6%)3,619万人(28.9%)3,677万人(30.0%)3,704万人(38.0%)
75歳以上高齢者の人口(割合) 1,632万人(12.8%)1,872万人(14.9%)2,180万人(17.8%)2,446万人(25.1%)
第92回社会保障審議会介護保険部会資料を参考に作成

 65歳以上の高齢者は、2025年には3,677万人になる見込みで、2042年にはその人数が3,935万人となり、ピークと迎えることが予測されています。また、75歳以上高齢者の全人口に占める割合も増加していき、2055年には25%を超える見込みです。

 高齢者の増加とともに認知症高齢者も増加していくことになります。認知症高齢者の将来推計は、2025年で700万人とされ、65歳以上の高齢者の約20%になります。

 そして、世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯も増加していきます。

介護保険制度を取りまく状況② 高齢者の急増から現役世代の急減へ

 人口構造の推移を見ていくと、2025年以降「高齢者の急増」から「現役世代の急減」へと状況が変わっていきます。

 高齢者数が増加していくと共に、現役世代が減少し、社会全体での働き手が不足していきます。今、当たり前に提供されているサービス、例えばネットショッピングの商品が翌日あたりまえに届くなども困難になってくる可能性があります。

 また、非正規職員や低賃金での貧困高齢者が増加してくることも考えられます。

介護保険制度を取りまく状況③ 要介護認定率の上昇

 介護保険制度がスタートしてから、要介護認定を受ける高齢者は増加してきており、年齢が上がるにつれ、その認定率も上昇していく傾向にあります。

 高齢者が増加すれば、要介護認定を受ける高齢者の数も必然的に増えていきますし、サービスを利用する人が増加していけば、介護給付費の割合も増えていくことになります。

2024年度 介護保険制度改正の論点

 今回の厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会では、2024年度の改正に向けた議論のスタートということで、現在の介護保険制度を取りまく現状の整理と、論点となる項目についてディスカッションが開かれたものであり、そこまで踏み込んだ内容は見受けられませんでした。

 その中で、論点をなる内容として示されていたのが以下の内容になります。

ポイント

①ご利用者の自己負担割合の引き上げ

②ケアプランの有料化

③軽度者への支援の方法

④福祉用具貸与の給付についての見直し

⑤介護現場の業務の効率化と生産性の向上

⑥科学的介護の推進・根拠のある介護サービスの提供

 社会保障費が増加していく中で、その制度維持のためにある程度の負担増は仕方がないのかもしれません。しかし、高齢者にしても現役世代にしても、今後ますます経済的な余裕がなくなってくる中で、この問題をどう解決していくのかについては、長期的なビジョンで議論を進めていってもらいたいところです。

 また、人材確保も急務となっている中で、業務の効率化や生産性の向上については、ICTや介護ロボットの活用など、技術面での向上が必要となってきますが、それに合わせて、現場で働く職員の考え方や価値観の変容についても考慮していかなければなりません。

 科学的介護においては、根拠に基づいた介護の提供と理論に基づいた関わり方、認知症ケアのあり方が重要になってきます。

 国や自治体だけでなく、この2024年の介護保険制度改正に向けて、自分たちができることや必要なことを考え、行動していくことが私たちひとりひとりに求められているのだと思います。

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