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【介護職・事業所の現状まとめ】人手不足、離職率、給与水準など介護職員の今を知る

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 こんにちは、ほしくずです。

 介護職員を取り巻く現状について確認していきます。自分たちが、現状どのような状況下にあるのか、忙しい介護職員の方でもわかりやすいように、まとめていきたいと思います。

 介護職員として勤務されている方はもちろん、これから介護職員を目指す人、介護職への転職を考えている人にもおすすめの記事です。

介護職員の仕事への「不満」

 全国の介護職員でつはくる労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」が、組合員の就業意識や労働環境などを把握するために行った調査結果が公表されました。対象はNCCUの組合員で、働く3935人の回答を集計したものです。

 この中で、介護の仕事に対する不満について。

・「ある」と答えた介護職員は75.7%(前回70.0%)    

「ない」と答えた介護職員は21.9%(前同28.1%)

 「ある」が増加し、「ない」が減少しています。

 不満の理由としてあげられていたのが以下のものです。

「不満」の理由

「賃金が安い」「何年経っても賃金が上がらない」

「仕事量が多い」

「連休がとりにくい」「有休がとれない」

 この中で最多だったのが「賃金が安い」でした。また、これらの不満を理由に離職を考えた人は65%以上に上りました。

 「有休がとれない」理由については、人手不足周囲に迷惑をかけるといったものが上げられました。

賃金や給与水準に関する政府の動き

 令和4年度10月から介護職員等ベースアップ加算の算定が可能となります。

 その他にも、厚生労働省の加藤勝信大臣は、岸田文雄首相から示された国の重点施策の中に「保育・介護などの現場で働く人の処遇改善」が含まれていたと説明しました。

 これについて、加藤厚生労働大臣は「これらの課題の解決に向けて全力で取り組みたい。国民の期待にしっかりと応えられる厚生労働行政としたい」と語りました。

 社会保障制度を持続可能なものにしていくことやデジタルなどの技術を取り入れた業務の効率化を進め、マンパワー不足についても取り組んでいくことを発言していましたが、具体的な動きはこれからになりそうです。

介護職員の給与水準

 介護職全体の年収は平均365万9292円で、前年度の364万4880円と比べ0.4%増加しました。処遇改善加算などの効果は、それほど大きいものではないことがうかがえます。実際に、処遇改善加算を算定し職員へ分配しようとすると、分配方法によっては法人(事業所)の持ち出しが大きくなり、介護職員の給与が改善されて、事業所傾くという恐ろしい状況に陥る可能性があります。


 下記の表にまとめましたので、自分の職種を確認して比べてみてください。どこに調査しているのか、私は生活相談員ですが、年収で見れば、私の事業所は介護職員の方が給与が良いです。勤続年数によっては、施設長を超えるケースもあります(笑)。

職種前回調査結果今回調査結果
ヘルパー325万2180円324万3882円
サービス提供責任者375万8687円389万9562円
介護職員344万3708円345万7919円
生活相談員383万8054円382万3607円
看護職員423万4230円427万7122円
介護労働安定センター調べ

訪問介護事業所の増加で過去最多に

 慢性的な人手不足が問題となっている介護業界において、訪問介護事業所の数が過去最多となりました。

年度事業所数
2017年33,445
2018年33,284
2019年33,176
2020年33,482
2021年33,750
2022年34,372
訪問介護の請求事業所数の推移

 2017年に一旦ピークを迎え、2年連続で減少していましたが、2020年以降は一転して増加に転じています。

 背景にあるのは高齢化の進展に伴うニーズの拡大が影響しているものと思われます。

 一定の利用者を獲得できると見込み、事業所を増やしたり新規に参入したりする事業者がおり、障害福祉サービスとセットで展開すれば、一定の収益を得られる報酬体系も影響しているとみられます。

 また、サービス付き高齢者向け住宅の開設が増えていることもあり、入居された方の支援を目的とした事業所の開設していることも一因として考えられます。

倒産の最多は訪問介護

 一方で、東京商工リサーチの調査によると、今年上半期で倒産した介護事業者は53件で、そのうち訪問介護が22件で最多となりました。コロナ渦で経営体力や資金繰りが厳しい中、人手不足が追い打ちをかけている状況で、優秀な人材の取り合いになっている構図が見受けられます。

 倒産前に撤退を決める事業者もいる状況です。現状では、人手不足の中で人材の取り合いが起きている状況で、働き手が増加しているわけではなく、人材が事業所を転々としている状態であると言えます。人材確保が経営の成否を分ける状況は、今後もしばらく続いていくことが予想されます。

人材不足感は低下、しかしヘルパーは高水準

 令和4年8月22日、介護労働安定センターが令和3年度の『介護労働実態調査』の結果を公表しました。

 介護職員の過不足の状況を事業者についての問いに「大いに不足」が10.2%、「不足」が21.2%、「やや不足」が33.0%で合わせると64.4%でした。

 前年度からは1.8ポイント下がっており、低下は2020年度から2年連続になります。政府の処遇改善策の効果だけでなく、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国内の労働市場の変化も影響していると考えられます。

 一方で、比較的参入が容易な訪問介護事業所については、ヘルパー不足が顕著に見られる結果となり、その不足感は80.6%にのぼっています。ヘルパー事業所が、人手不足の影響を一番受けている現状です。

まとめ

 介護業界の待遇改善が進められる中、岸田総理大臣はさらなる改善を厚生労働大臣に指示しました。今のところ、顕著な数字としては出てきていない状況で、給与が上がるだけでは介護職員の定着にはつながらないと考えられます。

 いずれにしても、介護業界を取り巻く環境については、介護業界に勤める者であれば、きちんと関心を持ち、情報収集をしていくことが必要です。待遇やワークライフバランスに合った環境を探すのもありですね。

優秀な人材は、好待遇のチャンス!

 人手不足であるからこそ、能力・知識・技術に自信がある介護職員であれば、今後は転職のチャンスです。今回の調査結果を見ても、介護職員が増えているという実感はほとんどありません。となれば、大きな法人や大手の福祉事業者は、優秀な人材を好待遇で迎えてくれるチャンスがあります。

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