新型コロナいウイルスの感染拡大が拡がる中、全国では連日5万人を超える感染者が確認されています。これに伴い、社会機能維持が課題となっており、介護現場においても濃厚接触者の増加により、職員が出勤できないケースが増えています。
すでに医療従事者については、濃厚接触者であっても、一定の要件下で待期期間なしで出勤できる措置が講じられており、その要件を踏襲する形で、沖縄県限定ではありますが、待期期間なしでの出勤が認められるようになりました。
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このまま感染が拡大すれば、沖縄県に限った話ではなく、全国的にそういった措置が必要になってくる可能性があるため、現時点でその要件について確認していきたいと思います。
沖縄県の高齢者施設限定の措置
沖縄県の高齢者施設に限り、濃厚接触者であっても自宅待機期間なしでの出勤が認められることとなりました。
詳しい通知内容はこちら⇒介護従事者である濃厚接触者に対する外出自粛要請への対応について
ここでいう該当する高齢者施設とは以下のとおりです。
対象の高齢者施設
○特別養護老人ホーム
○介護老人保健施設
○介護医療院
○認知症高齢者共同生活介護(グループホーム)
○養護老人ホーム及び軽費老人ホーム
○有料老人ホーム
○サービス付き高齢者住宅
○短期入所生活介護(ショートステイ)
※その他の在宅サービスは対象外
厚生労働省が定める要件
基本的には、医療従事者の要件を踏まえた形になっていますが、それ以外にもいくつか要件が追加されています。
医療従事者向けの通知はこちら⇒オミクロン株の感染流行に対応した保健・医療提供体制確保のための更なる対応強化について
要件
◯ 新型コロナ患者、または濃厚接触者が入所している高齢者施設であって、外部からの応援職員の確保が困難な施設に従事する介護職であること
◯ 他の介護職による代替が困難な介護職であること
◯ ワクチンを2回接種済みで、2回目の接種から14日間が経過した後に濃厚接触者と判定された人であること
◯ 無症状であり、毎日業務前にPCR検査、または抗原定量検査(やむを得ない場合は抗原定性検査キット)を行い、陰性が確認されていること
◯ 濃厚接触者である介護職の業務を、所属の管理者が了解していること
◯ 感染制御・業務継続支援チームなどにより、事業所として以下を実施する体制が確認されていること
・当該介護職の健康状態(無症状であること)の確認
・当該介護職への適正な検査(検体採取・結果判定、検査キット確保)
・ 施設内の感染拡大を防ぐ対策(防護具の着脱、ゾーニング、衛生管理)
外部からの応援職員の確保が困難な施設に限り、入所者に必要なサービスが提供されるための緊急的な対応としています。
沖縄県に限らず、感染者や濃厚接触者となり、職場を離脱せざるをえないケースが増えてきています。私の施設では、同居家族が濃厚接触者となれば、その検査結果が判明するまで、その職員は出勤停止にしています。
感染拡大が拡がる中でも、「施設で感染者を出してはいけない」「クラスターを発生させてはいけない」という強い緊張感を持った対応が求められている状況です。重症化しないからといって、感染させていいというわけにはいきません。報道を見る限りでは、一部の人たちの感染に関する意識が緩んできているようですが、医療や介護に従事する者はそういうわけにはいきません。
1日も早い収束を願っています。