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【知っておきたい】介護施設から「看取りです」と連絡がきた時に考えること・やるべきこと

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 こんにちは、ほしくずです。

 特別養護老人ホームは、最期まで生活できる、いわゆる「終の棲家」としての役割を担っています。

 入所されている方のご家族であれば、いずれ「看取りの状態」であることを伝える連絡がきます。こまめに状態報告の連絡をくれる施設もあれば、突然「看取り」の連絡をしてくる施設もあります。

 では、実際に「看取り」となった時に、何を考えて、どう行動すれば良いのか?

 この記事では、「看取り期」と言われた時に慌てないために、特別養護老人ホームで生活相談員として働いている私が、看取り期に関する不安が少しでも解消できるように、解説していきたいと思います。

この記事の内容

○看取り期とは、どんな状態?

○看取り期に施設でできること

○看取り期に考えておくべきこと

 看取りの状態になった時に、落ち着いてご本人の最期を考えられるように、今から準備しておきましょう。

看取り期とは?

 まず、看取り期とはどんな状態のことなのかを確認していきます。

 「看取り」と言われても、普段日常的に関わりがないと、なかなかイメージがつきにくいですよね。簡単に言うと「死期が近づいてきた状態」ということになります。

○介護保険制度上での看取り期とは、以下のような状態のことを言います。

 医師が、医学的に回復が見込めないと判断したときに、概ね余命が6か月程度であって、老衰または病気の末期であり、あらゆる治療も病気の治癒に対して効果がない状態のこと

 

○日本老年医学会における高齢者の終末期とは、以下のような状態のことを指します。

 病状が不可逆的かつ進行性で、その時代に可能な限りの治療によっても病状の好転や進行の阻止が期待できなくなり、近い将来の死が不可避となった状態

 

 もう少しわかりやすく言うと、その方の病状や老衰に対して、医療的に様々な手段を尽くしても改善する見込みがなく人として自然に亡くなっていく時期のことを言います。

看取り期における食事の変化

 施設の介護職員や看護職員が経過を見ていく中で、特に判断材料となるのが、食事量の変化です。老衰が進み、看取り期が近づいてくると、まず食事の摂取量が低下してきます。お口の中に溜め込んでしまったり、食事を口まで運んでも、口を開けられなかったりするようになります。

 食事を食べるための咀嚼機能や嚥下機能の低下食べる意欲の低下などが見られるようになってくるのです。同時に水分の摂取量も低下してきます。摂取しても、浮腫んでしまったり、尿として排出されなかったりしてきます。

 これは、経管栄養(経鼻栄養、胃ろう)の方でも同様です。栄養を入れても嘔吐してしまったり、浮腫みが増強してきたりします。

 看取り期を考えるときに、目安となるのは食事量である場合が多いです。

看取り期の判断は医師が行う

 看取り期の判断は、医師が行います。施設に常駐している医師や嘱託医などです。

 施設の介護職員や看護職員が、医師に状態を伝えながら慎重に判断されます。一過性のものや別の病気の可能性もあるからです。

 様々な情報やご本人の状態から、総合的に看取り期であると判断されます。

看取り期への移行は、家族(身元引受人)の同意が必要

 医師が、看取り期と判断した場合に、施設で看取り対応を行うにはご家族(身元引受人)の同意が必要になります。施設の生活相談員や看護師から看取りについての意向確認が行われ、医師の説明を受けて看取りの意向をご家族に確認します。

 ご家族等の考え方によっては、受診を希望されたり、最期まで延命を希望されたりする場合があると思います。その場合は、医療機関を受診したり、特別養護老人ホームではなく、介護医療院など最期まで医療提供を受けられる施設へ移ったりする必要が出てきます。

 施設でできることを行いながら、自然な形で最期を迎えてほしいという意向であれば、施設での看取りをお願いしましょう。

看取り期に施設でできること

 看取り期においても、日常的な介護は実施されます。体調が良ければ起きていただきますし、入浴したり活動に参加されたりします。

 看取りの対応となった場合は、、看取り期におけるケアプランも作成します。このプランの中には、ご本人の想いや希望、ご家族の意向が反映された内容が含まれ、その上で施設としてできることや必要な支援が記載されます。

 看取り期おいて大切なのは、ご本人やご家族の想いです。施設は、その想いを受け止めてケアにあたります。

 これは、厚生労働省の「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に則ってケアを実施することが基本となっているからです。

 ですので、看取り期だからといって、ただ静かにベッドで横になって過ごすのではなく、食べたいものを食べたり会いたい人に会ったり好きな音楽を聴いたりご本人が望むこと、ご家族が希望することをできる範囲で対応させていただくことができます。

 多くの施設では、看取り期の対応について下記のような内容で説明されますので、疑問に思うことがあれば、確認しておきましょう。

① 常勤医師の配置はありませんが、状態の変化など必要に応じて、嘱託医と連絡を取り適切な処置を行います。

② 夜間は看護職員は配置しておりませんが、緊急時の連絡によりかけつけるオンコール体制となっております。

③ 延命につながるような酸素吸入・心臓マッサージ・点滴等の医療的処置はいたしません。

④ 食事はご本人の欲求があれば対応しますが、無理に食べていただくことはいたしません。

⑤ 吐血・下血など急性期症状を発症した場合は、救急搬送させていただきます。

⑥ 疼痛が緩和されない場合は、協力医療機関など入院いただく場合があります。

⑦ 夜間や祝祭日など、嘱託医が施設に来られない場合があります。そのため、死亡確認が翌 朝などになることがあります。死後の処置は、死亡確認後になります。

⑧ 嘱託医が施設に来られない場合は、協力医療機関などへ救急搬送する場合があります。

 吐血などの急性期症状や悪性腫瘍による疼痛が強いなど、ご本人が苦痛に感じられる状態で、施設でその苦痛を取り除くことが難しい場合は、看取り期であっても受診などの対応を行う場合があるというところがポイントです。

 「看取り期だから全く何もしない」ということではありません。

看取り期におけるご家族の対応

 看取り期では、まずご本人やご家族の意向が尊重されることが基本です。ご本人が意思表示できない場合、ご家族がご本人にとってどんな最期を過ごしてほしいかどんなことを望んでいるのかご本人ならどうしたいかを推察して、その希望を施設側に伝えることが重要です。

 また看取り期になったことを親族などにもきちんと伝えて、意向を確認し、看取り期であることを共有しておくことも重要です。

ご本人の気持ちを推察し、後悔しない対応を依頼

 具体的には以下のようなことです。

会わせたい人がいれば、会ってもらう

好きだった食べ物や飲み物などを召し上がってもらう

外の空気を感じてもらう

お風呂に入ってもらう

たくさん話しかけてもらう

 看取り期に、ご本人が望むと思うこと、ご家族が施設にしてほしいことは、きちんと伝えておきましょう。施設側もご本人やご家族に後悔がないように、できることはしてあげたいと思っています。

 「これは無理かな...」と諦めるのではなく、まずは確認してみましょう。

看取り対応に関する親族の意思統一

 看取り期の連絡は、基本的には身元引受人に対して行われます。最終的な判断は、身元引受人に委ねられることになるからです。

 連絡がきたら、必ず親族にもそのことを伝え、それぞれの考えを確認しておきましょう。身元引受人が「看取り」で了解していても、他の親族が「受診すべきだ」「本当に看取りなのか」と意見してくる場合があります。私も経験がありますが、意思統一ができないと、親族同士や施設と親族間で看取りを巡って揉めることがあります。

 後々のトラブルは、ご本人にとってとても不幸なことです。

 看取り期の連絡がきたら、必ず親族にも伝え、全員が納得する形で看取りを依頼することが重要です。

 もし、「看取り期」についての説明が難しければ、親族に対しても施設から状態を報告してもらっても良いと思いますし、当ブログの看取り期に関する内容を伝えていただいても構いません。

ご家族にお願いしたいこと

 施設として、ご家族にお願いしたいことを下記にまとめておきます。

① 24時間連絡が取れるようにお願いいたします。

② 可能であれば、毎日短い時間でも良いので、お顔をお見せ下さい。

③ 施設から連絡がありましたら、できるだけ早めに施設にお越しいただき、付き添いをお願いい たします。

④ あらかじめ葬儀業者をご検討いただき、連絡先を確認しておいて下さい。

⑤ 旅立ちの時に着ていただく浴衣をご用意下さい。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、なかなかご本人に会うことが難しい情勢ですが、看取り期の方に関しては、なるべく対応させていただきたいと考えておりますので、ご家族の意向をお聞かせいただければと思います。

看取り介護加算というお金がかかる

 看取りの同意をいただき、看取り介護を行って施設で最期を迎えられた場合、看取り介護加算という加算が発生します。

 これは、施設が看取り介護を行ったという実績をもとに加算されるものです。

厚生労働省 「令和3年度介護報酬改定における改定事項について」より

 「看取り介護加算Ⅰ」もしくは「看取り介護加算Ⅱ」のいずれかが算定されます。

 少しわかりにくいので、「看取り介護加算Ⅰ」が算定される場合で試算してみます。

看取り同意を頂いてから45日以上経過、負担割合1割の場合

死亡日 1,280単位/日 ➡ 自己負担額 1,280円

死亡日前々日、前日 680単位/日 ➡ 自己負担額 680円 × 2日 = 1,360円

死亡日30日前~4日前 144単位/日 ➡ 自己負担額 144円 × 27日 = 3,888円

死亡日45日前~31日前 72単位/日 ➡ 自己負担額 72円 × 15日 = 1,080円

看取り加算を算定した場合の自己負担額 1,280+1,360+3,888+1,080=7,608円となります。

 最後の請求時に、いつもより少し金額が多いと感じたら、看取り介護加算が算定されたと理解しておきましょう。

まとめ

 看取り期は、ご本人の人生の最期を締めくくる重要な時期です。ご本人はもちろん、ご家族の皆様に後悔のない選択をしていただきたいと思い、今回「看取り期」について解説してきました。

 職員向けではありますが、施設内でどのように看取りケアの内容を決定していくのかを知りたい場合は、【すぐ使える】看取り介護(ターミナルケア)に関する研修を参考にしていただきたいと思います。

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