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DaiGo氏【炎上発言】を福祉の視点から考える ~優生思想・バンドワゴン効果~

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 こんにちは、ほしくずのクズです。今回はメンタリストDaiGo氏をめぐる一連の件について、福祉の視点から見ていきたいと思います。

DaiGo氏の発言内容

「『超辛口』科学的にバッサリ斬られたい人のための質疑応答」 R3年8月7日

 「僕は生活保護の人たちにお金を払うために税金を納めているんじゃないからね。生活保護の人たちに食わせるくらいなら、猫を救ってほしいと僕は思うんで。生活保護の人が生きてても僕は別に得しないけど、猫が生きてれば僕は得なんで」

 「自分にとって必要のない命は僕軽いんで。ホームレスの命はどうでもいいんで」

 自分にとって「価値のない命」という表現を使い、その人が置かれている環境・境遇・苦しみなどを全く無視した発言に、視聴者や関係する団体などから多くの批判を浴びました。実弟の松丸亮吾氏も「人の命を軽く見る発言だけは、さすがにダメ」と発言しています。

 DaiGo氏は、あくまで個人の感想とし、Twitterに

 そんなに助けてあげたいなら、自分で身銭切って寄付でもしたらいいんじゃない?国がそういう人のために、みんなの給料から毎月3万円徴収しますって言い始めたら、皆さん賛成するんですかね?

 と投稿し、さらに批判を集めました。

8月12日 批判に対しての投稿

 動画で公開された発言について...

 「社会に浸透させようと思ってやっているなら問題だが個人の感想を言ってるだけ。感想に間違いもクソもない。謝ることでもない」

 とお話しています。

 「命の優劣はないと思うが個人から見たら違う。死ねばいいのにと思う人もいるでしょう?」

 「じゃあ聞きますけど、ホームレスとか生活保護の人たちに炊き出しとか定期的にやったりしてるんですか?はるかに税金を払っているので僕の方が助けている。」

 と反論しました。

8月13日 謝罪動画を投稿

 一連の批判を受けて13日22時にライブ配信を行い謝罪のコメントを出しました。

 さすがにあの言い方はまずかったかな、大変申し訳ございませんでした。一番反省しているのは何かというと、ホームレスの人、生活保護を受けている人がそういう道をどうして選んだのか。こうした選択をせざるを得ないことを知らないで批判したのはよくない。(こうした人たちが)何を、どう考えているのかをちゃんと勉強するつもりです。

 と述べました。この内容は、本当に表面的な謝罪の域を出ず、単なるパフォーマンスか再生回数を増やすための手段とも見られるような態度に感じられました。人の心を読むメンタリストが、人の気持ちも分からなかった、本当にただのビジネスでしかなかったと感じました。

生活困窮支援4団体が緊急声明

1:DaiGo氏は、形だけの反省・謝罪にとどまらず、この動画がヘイトスピーチに該当する内容であることについて真の理解に至ったうえで、改めて発言を真摯に反省・撤回し、生活保護利用者、ホームレス状態にある人々に謝罪すること。また、「処刑」や「殺す」という言葉を用い、特定の人たちを社会から排除・抹殺することを正当化することは、ヘイトクライムやジェノサイドを誘発しかねない反社会的行為であることを認識し、この点についても明確に発言を撤回し、謝罪すること。

2:「最後は生活保護がある」と述べた菅首相は、DaiGo氏の発言が許されないものであることを明言したうえで、生活保護の申請が国民の権利であることを率先して市民に呼び掛けること。

3:厚生労働省も、公式サイトにおける「新型コロナウイルス感染症の影響により生活にお困りの皆さまへ」のページにおいて、生活保護制度の案内を大きく取り上げる等、制度利用を促す発信に力を入れること。福祉事務所が追い返しなどしないように、周知徹底をはかること。

4:マスメディアは、DaiGo氏の起用を差し控え、その発言の問題点を報道し、このような発言を許さない姿勢を明確にすること。

5:私たち市民は、今回のDaiGo氏の発言を含め、今後ともこのような発言は許されないことを共に確認し、これを許さない姿勢を示し続けること。

 私たち福祉従事者は、様々な事情により、自身で生活する事が難しくなった方や支援を必要としている方に対して、必要な助言や援助を行っています。そこには、お金だけでは解決できない問題もたくさんあります。そういった方々のお力になり、自立を促していくのが私たちの仕事だと思います。

8月14日 再度謝罪動画を公開

 関連団体からの批判やCM・広告起用の当面自粛などの影響を受けて、いよいよヤバいと思ったのか『昨日の謝罪を撤回いたします【改めて謝罪】』という動画を公開しました。

 「昨日からいろいろずっと考えたりしていたんですが先日の謝罪は単なる僕個人の反省にしかなっていない、真の意味で謝罪という形になっていないと考えてあらためて謝罪するためにこの生放送をさせていただきます。」

 「大変ひどいことをした。誰も人の生きる意味を奪っていいということはない」と深く頭を下げた。自身の発言については「ただでさえ苦しんでいる人にさらに苦しみを与えてしまう行為」

 「差別的であり、ヘイトスピーチであり、人としてあってはいけない行為」と反省している様子で、「生活保護を実際に受けているすべての方に深く謝罪させていただきます」

 生活困窮者、生活保護を受けている人の話や家族のブログなどを読んだと報告し、自身の勉強不足や想像力の欠如を認め再度謝罪を行いました。

内なる優生思想が招いたのか

優生思想という考え方

 「人類の遺伝的素質を改善することを目的とし,悪質の遺伝的形質を淘汰し,優良なものを保存することを研究する学問」である(『広辞苑 第6版』岩波書店,2008)

 ゴルドンの優生学から派生した考え方です。「優生学とは,ある人種(race)の生得的質の改良に影響するすべてのもの,およびこれによってその質を最高位にまで発展させることを扱う学問である」としています。

命の選別、命に優劣をつけ、より優れた者を残すという考え方ですね。

 このような優生学に基づく、差別的発言をしてしまうところを見ると「優生学・優性思想肯定論者」なのだろうと思ってしまいます。

優性思想と障害者差別の歴史

 日本における「優生学」の歴史について少し見ていきたいと思います。戦前の「国民優性法」(1940年)制定と終戦後の「優生保護法」(1948年)に遡ります。

 国民優性法は、ほとんど機能しませんでいたが、優生保護法では「不良な子孫の出生の抑制を目的」に、優生学的な断種手術や中絶、避妊等を合法化した法律です。この法律は、1948年から1996年まで存在しました。

 この法律は、脳性麻痺の当事者団体「全国青い芝の会」などの活動や運動により、政府も様々な批判を受け、「優生学的思想に基づく遺伝性の病気、ハンセン病、精神障害等を理由とした不妊手術や中絶を認めた強制断種等」の条文を削除、現行の「母体保護法」(1996(平成 8)年)が成立しました。

 現在、2019年に成立した「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」に基づき、優生手術等を受けた方への支援等が行われています。 →厚生労働省の該当べージ

優生思想が顕著に表れた「津久井やまゆり園」の事件

 平成28年7月26日知的障害者施設「津久井やまゆり園」で19人を殺害される事件が発生しました。この事件で殺人などの罪に問われた植松聖被告は、「障害者なんていなくなればいい」という発言を繰り返し、被告人質問の場でも「意思疎通の取れない障害者が社会にとって迷惑だと思ったからです。社会の役に立つと思ったから」と述べていました。

 障害者を社会の役に立たない価値のない人間であるという優生思想に基づく発言は、「自分にとって必要のない命」や「価値のない命」などのDaiGo氏の発言は、非常に危険なものであると分かると思います。

憲法第25条 生存権

生存権・・・生きる権利、生活を保障される権利

 福祉に携わる人であれば必ず勉強するのが「生存権」です。

 日本国憲法第25条

①すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

②国は、すべて の生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 厚生労働省も「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。」とコメントしています。

生活保護制度

生活保護制度とは

 資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。(支給される保護費は、地域や世帯の状況によって異なります。)※厚生労働省ホームページより

 この制度は、憲法第25条の生存権にあるように、健康で文化的な生活を保障するとともに、自立の助長を目的としています。

今回の件をどう受け止めるべきか

バンドワゴン効果による影響

 バンドワゴン効果とは...

「ある選択を支持する人が多いほど、その選択に対する支持がより強くなる現象」で、群衆心理における同調現象の1つと言われています。

 今回は、世間の認知度が高く、若者にも絶大の人気があるDaiGo氏が発言したことにより、このような大きな事態になりました。いわゆるインフルエンサーの発言は、ネットなどを通じて世に拡散されやすく、その影響力も絶大です。これにより、内なる感情が刺激され、優生思想へ賛同する若者が増えないか懸念されます。

 それだけ、インフルエンサーなど影響力の大きいことを自覚してもらわなければならない事、そしてそういった人たちの言葉に影響されない「自分の価値観」をきちんと見つめ直すことが重要なんだと思います。

自分の価値観・考える力を持つこと

 これだけ多くの情報が溢れている世の中なので、少し検索すればあなたの悩みの「答え」が見つかるかもしれません。しかし、それは、その「答え」を考えた人の価値観や人生観、経験から導き出されたものであり、あなた自身の考えではない事に気をつけなければなりません。

 その「答え」は答えではなく「情報」として捉えることが重要です。この「情報」から自分がどう考え、行動するのかが重要なんです。バンドワゴン効果についても触れましたが、そこに陥らない自身の「価値観」を持つことが求められうようになってきているのではないでしょうか⁈

最後に

 今回は、DaiGo氏の一連の発言を元に、少し福祉の視点を加えながらお話してきました。では、自分自身が障害者や認知症の方に対して全く差別的思考がないかと言われれば、自信がないのは事実です。また、報道される災害などの被災者に対しても「自分じゃなくて良かった」と思う自分に気づきます。自分自身もきちんと「価値観」の確認をしていきたいと思います。

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