生活相談員の勉強部屋

社会福祉士の価値=あなたの働き 

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 皆さんお付けれ様です。今回は社会福祉士という資格についてお話していきたいと思います。

 まず、昨日実施されました第33回社会福祉士国家試験を受験された皆様、大変お疲れ様でした。新型コロナウイルス感染の渦中で、モチベーションを保ちながら受験勉強を進めるのはとても大変だったと思います。そのような中で、最後まで諦めずに勉強を続けられた方、その努力が結果として報われる事を願っています。

 では、無事に合格をしたけど、そもそも「社会福祉士」って何をする人なの?という事に答えることができるでしょうか?周りの友人などに「社会福祉士」になったと伝えて、その仕事内容を理解できる人がどれだけいるでしょうか?社会福祉士は残念ながら、社会に十分認知されているとは言い難い資格です。

 今回は、「社会福祉士」という資格が、社会に認知されにくい・資格の価値がなかなか認められにくい理由についてお話していきたいと思います。

社会福祉士の価値が認められない3つの理由

 社会福祉士は、身体上もしくは精神上の障害がある人、または環境上の理由によって日常生活を営むのに支障のある人、困難を感じている人を対象に、福祉に関する相談に応じ助言や指導をし、さらには福祉サービスや健康医療サービスを提供する関係者との連携や調整を行って援助を行う仕事です。社会福祉士が受け付ける相談は、保険・医療、高齢者福祉、障害者支援、生活保護、児童福祉など、福祉に関係するすべての分野に及びます。社会的に見れば、とても重要な役割を担っている仕事のように思います。

 しかし、社会福祉士でなくても行える仕事も多く、必ずしも社会福祉士を取得しなければならないものでもありません。社会福祉士は、医師や看護師のような「業務独占」ではなく「名称独占」です。そのため、その資格自体に特に価値を感じられないのかもしれません。ここでは、その理由を3つ見ていきたいと思います。

理由①仕事に対しての評価が難しい

 社会福祉士は、電話や面談を通して確認した現状を踏まえて、利用できる公的な支援やその状態に応じたサービスを提案しながら、今後の生活について共に考え、助言していく仕事です。また、公的な介護や支援が必要な人だけではなく、その人の家族や関係する事業所、自治体などとも協力しあって、その方の生活に合った支援を考えていきます。

 相談の内容は、高齢介護分野に目が行きがちですが、児童や障害に関する内容、貧困、医療費、成年後見など対応分野は幅広くなっています。

 つまり、社会福祉士はいわゆる「相談のプロ」であるという事になります。

 しかし、いくら相談を受けて、必要なサービスや支援に繋いでいったとしても、対応した相談者が満足するか不安が解消されるかは、その後のサービス利用によって決まります。そして、所属する事業所で評価されるのは、相談した相手が「相談して良かった。」とか「対応に満足した。」ではなく、事業所の稼働率にどう反映されたかになります(高齢関係の事業所所属であれば特に)。つまり、相談のプロでありながら、評価される指標は営業面の貢献度なのです。この点は、自身が社会福祉士としての仕事に満足感やモチベーションにつながらない要因かなと思います。社会福祉士としては、相談して良かったと思える対応を心がけたいですね。

理由②必要性と重要性が低い

 現状の制度の中では、社会福祉士でなければ成り立たないという事がほぼありません。前述しましたが医師や看護師のような業務独占ではないからです。特別養護老人ホームでもデイサービスセンターでも生活相談員は社会福祉士が必須ではありません。社会福祉主事の任用資格があれば、生活相談員としての配置要件を満たしてしまいます。事業所としては、社会福祉士に資格手当と支払うより、社会福祉主事の方がコストを抑えられます。これは、福祉事務所や児童相談所で働く公務員でも同じです。社会福祉士である必要はないんです。これを考えてしまうと『社会福祉士』の必要性って?ってなってしまいます。

理由③専門性を活かして活躍できる場が少ない

 社会福祉士として働く環境が非常に少ないです。必死に勉強し、身につけた知識や技術があったとしてもその資格を活かして働けている人はほとんどいないのではないでしょうか。社会福祉士として入社しても、多くが介護業務に携わっていたり、ヘルプに入っていたりするのではないでしょうか。『社会福祉士』の資格に誇りを持って働けているという事を感じることが難しいのが現状です。

打開策はあるのか

 ここまで、社会福祉士という資格について価値が認められない理由をまとめてきました。では、社会福祉士として、これからどう活躍の場を広げていけば良いのかということになります。

①福祉以外の分野で圧倒的な価値を見つけ出す

 福祉の世界に留まらず、他の分野での活躍を世の中に認めてもらう必要があると思います。例えば、ハウスメーカーなどと協力して福祉と生活が一体となった街づくりの実現や高齢者が住みやすい家のプロデュースなどです。また、コロナ渦中で普及した宅配サービスなどに加えて、相談支援を一体的に行っていくのも面白いかもしれません。このように他分野において社会福祉士の存在価値を示していくことが必要なんだと思います。

②現行制度を変えるくらいの活躍と実績を作る

 令和3年度は介護報酬改定になります。このタイミングはあらゆるものが加算として新たについたり、廃止になったりするタイミングでもあります。次の介護のあり方の指標を確認するタイミングですね。介護報酬の中では「看護体制加算」や「栄養マネジメント加算」、「サービス提供体制強化加算」など資格を有している職員の配置が算定要件になる加算があります。そして大変残念なことに「社会福祉士配置加算」なんていう加算は存在しません(笑)。介護の中で、社会福祉士なんて価値が認められていない証拠ですね。必要性を求められていないんです、現状は。これを変えていくくらいの活躍がひつようなんですね。

 社会福祉士がその存在価値を示していくには、世の中の認知が必要ですし、自分たちの活躍・働きが評価されるように取り組まなければなりません。まずは自分たちの仕事の質を高めていくこと、そして自ら情報を発信していく事が重要なんだと思います。社会福祉士でひとつバズった活躍ができれば、一躍脚光を浴びる事ができるチャンスが、この情報社会の中ではあるのではないかと思います。社会福祉士の皆さんの働きがその価値を作り出していきます。一緒に頑張っていきましょう。

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