個別化の原則
個別化の原則は、対象となる方を一人の個人として捉え、問題の状況を把握し、個別化していくことです。ある事例や典型的なアプローチ、カテゴライズされた中の一人としてではなく、「一人の人間、個人」として関わらなければなりません。
例えば相談に訪れた方に対して、その内容が以前相談にのったことがあるケースに類似しているとしましょう。その際に、以前と同じ提案、支援過程を提案したとしても、必ずしも適切な支援となるわけではありません。対象となる方の性格や家族状況、価値観等全く同じ人はいません。以前の支援過程は、参考程度にしておくことが良いでしょう。個人として関わるには、その方のあるがままの姿をしっかりと捉え、向き合っていくことが必要なんです。
経験を積むほど必要になる個別化の意識
相談支援だけでなく介護過程においても、支援していく中で様々なケースを経験していくことになります。そうした経験を重ねていくと、その経験則から支援の対象となる方の疾病や障害、認知症の周辺症状などに目がいきがちになります。個人として捉えられなくなり、課題解決の道筋のみを追求していくことになります。経験からある程度の予測や援助の方向性を考えることは間違えではないと思います。経験に捉われすぎず、目の前の方に真摯に向き合っていくことが大切なんだと思います。