生活相談員の勉強部屋

令和3年度介護報酬改定では「管理栄養士」の位置づけと役割が明確化。生活相談員(社会福祉士)は置いてけぼりか?生活相談員...「もう無理」と思った時に後悔しない考え方

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 皆さんお疲れ様です。この記事は、生活相談員は「もう無理」って思っている人向けになります。介護施設で生活相談員をしていると「辞めたい」「もう無理」と思う瞬間が少なからずあると思います。管理職から稼働率や施設の運営に関して指示され、介護職員からは「人が足りない」、「こんな方は受けられない」と責められ、ケアマネからは「早く入所させてほしい」、「なんで利用できなんですか」と急かされ、調整に苦慮した経験、きっと皆さんお持ちだと思います。私は以前、ご利用者やご家族にとってより良い選択をして頂きたいという気持ちが強く、稼働率のために無理に短期入所の利用を延長したり、空きがあるのに施設の都合で受け入れができなかったりする現状に悩み、うつ病を発症した経験があります。[affi id=26]

 皆さんは、そんな日々のストレスとどのように向き合っていますか?今回は悩み多き生活相談員が、ストレスの勢いで辞めてしまったり、後悔しない為の考え方についてお話します。

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生活相談員「もう無理!」と思う理由

多くの関係の中での調整にストレスがかかる

 生活相談員は、あらゆる場面での調整役です。ご利用者・ご家族、施設の管理者、介護職員、看護職員、その他関係する各事業所や機関からの希望や話を聞き、その中でそれぞれの考え方をすり合わせながら、より良い方向へマネジメントしていく立場になります。考え方、価値観は人それぞれでかつ立場もありますので、その狭間に立って仕事をする事には大きなストレスがかかります。私が以前働いていた施設では、朝礼で毎日法人内の事業所の稼働率が発表され、月間稼働率が目標に達していないと、相談員の集まりでその理由(ほぼ言い訳)と対策を発表しなければなりませんでした。ストレスから「辞めたい。」と思う気持ちを抱く人も少なくありません。

仕事の範囲が広く、業務量が多い

 生活相談員の仕事は、多岐にわたります。施設の利用のための面談や契約、営業活動、ご意見や苦情の受け付け対応、事故発生時の施設損害保険対応、行政機関への届け出やそれに伴う書類の作成、介護報酬の算定要件の確認、介護給付費の請求、施設の広報活動など多くの仕事を抱えることになります。また、これらの仕事を行いつつ、介護を兼務する場合もあります。精神面だけでなく身体的な負担が大きくなるとさらに辛い状況に追いつめられることになります。私は、施設で飼育している動物の係をしていました。庭に出る蛇を捕獲したり、亡くなった動物の後処理などもしてました。

業務内容が多いわりに給与が少ない⁈

 これは、その人の考え方次第だと思いますが、介護報酬や厚生労働省の考え方を見ていると生活相談員の仕事は、大して評価されていないと思わざるを得ません。介護職員には処遇改善加算として給与に上乗せして支給されますが、生活相談員は介護を日常的に兼務していなければ、全く貰えないか雀の涙程度しか頂けません。施設の稼働や収入の大部分を担っているのは生活相談員なのですが...。あと以前にも書きましたが、生活相談員は社会福祉士の資格が必須とされてませんし、令和3年度の介護報酬改定では、栄養士に加えて管理栄養士が明記されたのに対し、相談員は未だに「誰でもできるっしょ」的な感覚で見られているように感じます。

https://hoshikuzu-fukushi.com/theory-practice/151/

辞めたい気持ちに流されない、立ち止まって考えること

 上記のように負担が大きい生活相談員という仕事であるが、嫌な事ばかりではなくメリットもあります。気持ちに流されて後悔しないように、立ち止まって一度考えてみましょう。

あなたを頼って来てくれたご利用者・家族がいる

 生活相談員は施設の顔であり、窓口になる立場です。藁にも縋る想いで施設を頼ってくれたご利用者や家族の事を考えると、「自分の気持ちや勢いだけで辞めてしまっていいのか⁈」という気持ちになります。あなたの頑張りによって救われた方たちがいる事を一度思い出してみましょう。毎日の仕事で、あなたに救われている人もきっといると思います。

慣れれば自分のペースで仕事を進められる

 緊急のケースや突発的な出来事がなければ、基本的に自分のペースで仕事を進めていく事ができます。最初は慣れない介護給付費の請求業務や短期入所の予定の作成なども経験を積み重ねていけば、徐々にスピードも精度も上がっていきます。そうすると、時間にある程度余裕も出てくるので、相談業務や営業活動にも、時間に余裕を持って当たることができるようになります。特別に予定が入っていなければ有休もとれます(※何かあれば電話はかかってきますが...)

体力的な負担が少ない

 生活相談員は、介護兼務でなければ夜勤なしで働くことができます。日中の仕事が基本になるので、生活のペースを乱すことなく過ごすことができます。介護の仕事を理解しなければ、生活相談員として勤まらない事もあるため、最初は兼務する場合もあると思いますが、経験を重ねるにつれて相談員専従となっていくケースが多いようです。歳をとっても続けられる仕事です。

どうしても辞めたくなった時の選択

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介護職員として働く

 介護職員として介護の現場で働くのも選択肢のひとつです。もし生活相談員としての道を少しでも残しておきたければ、通所介護で介護兼務でサブの生活相談員として働くという方法もあります。もし、給与面で考えるのであれば、夜勤のある特養の介護などを検討するのも良いでしょう。処遇改善加算も夜勤の有無で支給額が変わる場合もあるので、選択する際の目安にしましょう。

他の事業所で生活相談員として働く

 もし、生活相談員を続けたいようであれば、自分にあった職場を探すことも選択肢のひとつです。生活相談員の業務範囲は、事業所によって違うこともあります。自分が働きやすい、自分の環境にあった職場を探すことも検討してみましょう。生活相談員は、この記事の内容にもあるようにストレスの多い仕事です。辞めてしまう相談員も多いため、タイミングがあれば今までの経験を買われ好条件で転職できる可能性もあります。福祉系の転職サイトに登録すると、条件に合った職場が見つかる場合もあります。

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別の道へ進む

 介護業界から離れ、別の職種で働くという事も考えましょう。社会福祉士などの資格を持っていれば、公務員として福祉事務所で働くことや地域包括支援センターで地域の窓口として働くこともできます。介護施設に限らず、活躍の場は多いと思います。また、生活相談員として身に付けたコミュニケーション能力や調整力を活かして、別の業種で働くという事も考えましょう。

辞めたくなった時に私がしたこと

とりあえず趣味に逃げる

 時間を忘れられるぐらい楽しい趣味をお持ちですか⁈何かに没頭している時は、仕事を忘れられる瞬間でもありますよね。私はひたすらゲームに逃げました。今思うと、浪費した時間に対しての絶望感も半端なかったですが...[affi id=24]

読書をする

 自分の価値観の再確認、今自分の置かれている状況の整理など、心を整える上で読書はとても良い影響を与えてくれました。この時は、さまざまな思考やマインドフルネス系の本をよく読んでいたと記憶しています。最近はロルフ・ドベリ著『Think clearly』にハマっております。[affi id=25]

転職サイトに登録、ハローワークに行く

 退職をするにしても、転職が決まっていなければ一時的に収入がなくなります。私はこれで苦労しました。勢いだけで辞める(うつ病などは除く)のを避け、転職先を決めておく事が大切です。求人サイトでは結構いろいろな条件が掲載されています。介護への転職であれば、人手不足も相まってかなり多くの求人が出ています。ハローワークも初めていきましたが、なかなか刺激的な体験でした。[affi id=22]

まとめ

 生活相談員は精神的にハードな仕事である事から、辞めたくなる気持ちも仕方がない事だと思います。しかし、勢いで辞めてしまうと後悔する事もあるので、周囲に相談したり情報収集をして選択肢を増やしておきましょう。

 一方、生活相談員はとてもやりがいの仕事である事も事実です。あなたを頼ってくるご利用者やご家族もいます。よく考え後悔のない選択をしましょう。[affi id=17]

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